「私も候補に」……その候補、いつ募集しました? | ロックベーシスト 西本圭介

ロックベーシスト 西本圭介

テクニカルベーシストとしてベース・マガジンでも紹介 / ディープ・パープルのグレン・ヒューズ達と共にヨーロッパ11カ国を周り、また巨匠ビリー・シーンと共にKoRnのドラマー[レイ・ルジアー]のリズム隊として登場。

終了したブランド譲渡が、なぜ「西本家の自宅前でワーゲンたこ焼き店再開」に変わったのか

数日前、Facebookのコメント欄に、ある方からこんな書き込みがありました。

これから書くことは誰かを攻めるためではありません。
その方も大前提として聖子(きよこ)のことを思ってくださっている。
聖子の功績を風化させないために色々と考えていただいての行動だとは理解しています。

ただ、善意であるほど、遺族の私たちからすると実は重たいことが多いのです。
 

昨日9時44分、投稿者さんに対して、この件について最後の確認メッセージを送りました。
 


内容は単純です。
自分から公の場で投げかけた話なのだから、私が時間を使って返答した以上、最後は「検討します」「今回は見送ります」でも構わないので、大人として一言意思表示をして、このやり取りを締めてほしい。

それだけです。

そして本日9時44分で、ちょうど24時間が経過しました。
 

現時点で返答も反応もありません。

実際にメッセージを確認したかどうかまで、私には確認できません。

ただ、今回の話は投稿者さんご自身が聖子の投稿に書き込んだことから始まっています。

自分から投げかけた以上、その後どういう返答があったのかを確認し、必要なら一言返すところまでが、大人同士のコミュニケーションではないかと私は思っています。
 

しかも今回は、聖子の投稿上で始まったため、私には通知が届きません。
そのため私は、返答があるかどうかを確認するために、毎日その投稿を見に行くという、本来必要のない作業まで続けることになりました。
 

私は昨日のメッセージで、これ以上こちらから追いかけることはしないと伝えました。

24時間経過しても意思表示がなかったため、ここでこの件について、私がどう考えているのかを記録として残すことにします。


これは誰かを攻撃したり、謝罪を強要したりするためのものではありません。

自分から始めた話を、相手が真剣に受け止めて返した後に無言で放置することについて、私はどう考えるのか。

そして、聖子が残した「3丁目のたこボール」やワーゲンバスについて、私はこれからどう扱っていくのか。

そのことを、きちんと書いておこうと思います。


個人名は伏せますが、文章はそのままです。

 

 

 

年内に私の職場は深夜営業にシフトするらしいので、昼間はその場所をお借りして拠点として営業させていただくというカタチならば毎日通う事は出来るのですが、そういうのは西本家としてはどうなのかなぁ〜と思って、ここ数ヶ月、コメントし辛い感じで居ました。店長の味に近づけるかどうかは別として。

ワーゲンバスをどうこうという事では無く、移動しないワーゲンバスのタコ焼き屋さんとしてなのならば、私も候補として考えて頂けたらと考えております

私はこれを読んで、しばらく止まりました。

そしてもう一度読みました。

 

まず引っかかったのが、

「私も候補として」

という言葉です。

候補。

……何の候補なんだろう。

 


確かに、ブランド譲渡は募集した

ここは先に正確に書いておきます。

私は以前、「3丁目のたこボール」のブランド譲渡を募集しました。

屋号や商標などを含め、誰かが引き継いでくれる可能性を探した時期は確かにあります。

 

ですから、

「私は一度も3丁目のたこボールを誰かに引き継いでもらう話をしていない」

と書けば、それは事実と違います。

ただ、その募集はまとまりませんでした。

 

そして私は、

ブランド譲渡の募集は終了する

ことも告知しています。

 

そこから話は次の段階へ進みました。

3丁目のたこボールとワーゲンバスを切り離す。

ワーゲンバスは、移動販売車ではなく、1971年式のウエストファリアという一台の車として考える。

売るならビンテージカーとして。

残すなら、本来のキャンパーとして余暇で自分で使用する。
 

その方向性も以前から発信していました。

つまり私の中では、

ブランド譲渡の話は終了。
ワーゲンバスは別の話。

かなり明確に切り替わっていたんです。

今まで一度も西本家としてワーゲンバスで移動販売車を継続するというネタは書いたこともありません。
私の頭に一度もよぎったこともないからです。

 


それなのに、なぜ「西本家で営業」になるのか

ここからが私には分かりません。
 

ブランドを譲るという話と、

西本家の自宅前で、西本家のワーゲンバスを使って、自分がたこ焼きを売る

という話は、まったく別です。

 

ブランド譲渡なら、自分の場所、自分の設備、自分の責任で事業をするという形も当然あり得ます。

ところが今回のコメントでは、

 

いつの間にか、

「西本家の場所」
「西本家のワーゲンバス」
「3丁目のたこボール」

が一つのセットとして復活しています。

どちらかというと自分発案ではなくて、私の発案にアルバイト要員として手を上げていただいたみたいなノリです。

 

しかも私は、そんな再開計画を一度も発表していません。

 

それでも、

私も候補として考えて頂けたら

という。

こちらではすでに終わっている募集が、相手の中ではまだ続いている。


しかも、募集内容までいつの間にか変わっている。

ここがまず、最初の謎でした。

 


「移動しないワーゲンバス」という、もう一つの謎

さらに気になったのが、この一文です。

移動しないワーゲンバスのタコ焼き屋さんとしてなのならば

私はここでも止まりました。

 

私はいつ、ワーゲンバスの移動販売を復活させると言ったんだろう。

言っていません。
 

「またワーゲンバスで移動販売を始めます」

とも、

「誰かに移動販売をしてもらいます」

とも言っていない。

 

ところがこの文章の中では、

なぜかすでに、

移動販売として復活させる案

と、

動かさず固定店舗にする案

という二択が存在しています。

 

でも、その二択そのものを私は提示していません。

つまり相手の文章をそのまま読むと、

まず、

「ワーゲンバスのたこ焼き屋は再開する」

という前提がどこかにあって、

 

その次に、

「自分なら移動販売ではなく、固定店舗の形ならできる」

という案が乗っているように見える。


私としては、

「いや、その一段目はどこから来たんですか?」

となるわけです。


時系列については公平に書いておきたい

このコメントが書かれたのは、私が実際にワーゲンバスからキッチン設備を降ろし、

「キャンパーへ戻しました」

と投稿する前日でした。

 

ですから、この方は完成後のキャンパーの姿を見てからコメントしたわけではありません。

そこは正確にしておきたいと思います。

 

ただし、キャンパーへ戻す方向そのものは、それ以前から予告していました。

閉業後の設備整理も続けていました。
 

つまり、

コメント翌日に突然、私が180度方針転換した

という話ではありません。

 

たこボールの閉業の流れそのものは、かなり前から整理・終了の方向でした。


そして「店長の味に近づけるかどうかは別として」

ここは、読めば読むほど不思議です。

店長の味に近づけるかどうかは別として。

私は思いました。

 

いや、その前に一体どんなたこ焼きを作るつもりなんだろう。
 

レシピを知っているのか。

生地の配合を知っているのか。

出汁を知っているのか。

焼き方を教わっているのか。

仕込みを経験しているのか。

聖子の味をどこまで理解しているのか。

そのあたりは何も書かれていません。

 

でも、話はすでに、

「店長の味にどこまで近づけられるか」

という段階に進んでいる。

 

まだ、

営業することすら決まっていない。

 

西本家が再開を希望しているわけでもない。

事業計画もない。

 

場所の条件も決まっていない。

にもかかわらず、

なぜかもう、

味の再現度だけは問題になっている。

順番が、かなり先まで行っています。

 


さらに「深夜営業になるから昼は毎日できます」

そしてもう一つ。

年内に私の職場は深夜営業にシフトするらしいので、昼間はその場所をお借りして拠点として営業させていただくというカタチならば毎日通う事は出来る

これにも目が止まりました。

夜に働く。

だから昼に店をやる。

なるほど。

 

……で、

いつ寝るんでしょう。

 

もちろん実際の勤務時間は知りません。

夜勤にもいろいろあります。

ですから、

「絶対に無理だ」

と言うつもりはありません。

ただ、本気で商売をするなら、

夜の仕事。

通勤。

睡眠。

買い出し。

仕込み。

営業。

片付け。

清掃。

 

全部あります。

 

普通なら、それを並べたあとに、

「週に何日なら営業できます」

という話になると思います。

 

ところがコメントでは、

夜仕事
↓
昼が空く
↓
毎日営業できる

と、睡眠だけがきれいに消えています。

 

一瞬、

30分寝ればフル充電できる特殊マンなのだろうか

と思いました。


私には、一つの仮説が浮かびました

もちろん、私はこの方の心理を診断できません。

性格を決めつけるつもりもありません。

 

ただ、文章と経緯から考えると、一つの仮説は立ちます。

もしかすると、

以前の

「3丁目のたこボールを誰かが引き継ぐ可能性がある」

という情報が、強く残っていたのではないか。

 

その後、

ブランド譲渡終了。

ワーゲンバスは別に整理。

キャンパーへ戻す。

という新しい情報が出ても、最初にできた物語が更新されない。

 

そこへ、

「自分は昼なら動ける」

という本人側の事情が加わる。

すると、

「じゃあ自分がやれるのでは?」

となる。

 

さらに、

「移動販売ではなく固定店舗なら」

「店長の味に近づけるかは別として」

と、頭の中で事業計画のようなものが一段ずつ出来上がっていく。

 

つまり、

「西本家はいま何をしようとしているのか」

を読むより先に、

「自分がこの話に参加するにはどうしたらいいか」

という物語が進んでしまった。

私には、そんなふうにも見えました。

 


だから私は「事業計画を出してください」と答えた

私は、この提案を笑って終わらせませんでした。

 

 

本気なら、本気で考えましょう。

営業時間は?

営業日数は?

売上予測は?

材料費は?

人件費は?

光熱費は?

車両維持費は?

そう返しました。

 

しかも、西本家の自宅前で営業するなら話はさらに大きくなります。

水を使う。

電気を使う。

ガスを使う。

巨大な冷凍庫を使う。
 

場合によっては家の中にも入る。

人の出入りもある。

清掃もある。

防犯もある。


私は単に、

「ワーゲンバスを貸す人」

ではなくなります。

 

自分の生活圏を営業場所として提供する側になります。


ならば、

西本家には何が残るのか。
私に経済的に何の得があるのかということです。
 

そこまで考えるのは当然だと思っています。

 


アイデアに「経営」を返したら、返事が止まった

もしかすると、相手にとってはもっと軽い話だったのかもしれません。

「夜の仕事になる」

「昼が空く」

「じゃあたこ焼き屋できるかも」

「聞いてみよう」

そのくらいだったのかもしれない。

 

でも私から返ってきたのは、

売上は?

原価は?

維持費は?

自宅利用の負担は?

という話でした。

 

つまり、

アイデアに対して、経営の現実が返ってきた。

 

すると、その後は返事がありませんでした。
自分から書き込んだので見ていませんは無いでしょう。
メンションも掛けていますからね。
見ていて既読無視だとわたしは考えます。

 

このコメントはDMではありません。

みんなが見られる場所です。
 

当然、私からの返答を待っていたはずです。

だから私も、公の場できちんと答えました。

その答えが投稿者さんの期待していたものと違った。

 

それはいいんです。

「そこまで考えていませんでした」

でもいい。

「ちょっと難しそうです」

でもいい。

「今回は見送ります」

でもいい。

 

ただ、

自分から公の場で問いかけ、相手に真面目な返答をさせ、その返事には何も返さない。
 

私は、このコミュニケーションの取り方は好きではありません。
というか大嫌いです。


最近、本件以外にも自分から問い合わせしておいて、私の返答後に既読無視マンが大量発生していて気持ち悪いのです。
私は自動応答メッセージマシーンでは無いですよ。
貴方が投げたメッセージを時間を使って考えて返信している、私の時間は無料ではありません。

しかもお問い合わせの人達は聖子が亡くなっているバックグラウンドを知っている人が大半です。
だとしたら尚更、遺族が貴重な時間を使って返答してくれたという意識を持つべだろうと思います。
遺族が悲しみにくれている最中に問い合わせをして既読無視ができる人達の神経はどうなっているのか、今後研究したいところです。

私は最近ではAIとのやり取りですら、ちゃんと「ありがとう。」 「素敵なアドバイスでした」と返事していますよ。
 


人は、相手の文章ではなく「自分の未来」を読んでしまうことがある

今回、私は最初、

「なぜこんな勘違いが起きるんだろう」

と思っていました。

私の投稿で勘違いさせるようなことがあったかな...?

 

でも、何度も原文を読み返すうちに、少し違う気がしてきました。

もしかするとこれは、

単なる読み間違いではない。

 

人はときどき、

相手が発信している現実より先に、自分が参加する未来を作ってしまう。

 

ブランド譲渡は終わっている。

ワーゲンバスはビンテージカーとして整理している。

移動販売を復活させるとも言っていない。

固定店舗にするとも言っていない。

 

それでも頭の中では、

自分が候補になり、
固定したワーゲンバスで営業し、
店長の味にどこまで近づけるかまで考えている。

 

文章だけを追うと、そこまで未来が進んでいるんです。
 

私は、その情報変換の方が、今回いちばん興味深かったです。

 



この方に謝ってほしいとは思っていません。
その人は別に我々に悪いことをしている意思は無いでしょう。
聖子への思いから出てきた行動です。
 

今から説明に来てほしいとも思いません。
 

ただ考え方やコミュニケーションの取り方が違うのであれば、

今後はお互いに関わらない。

少なくとも私や聖子の投稿には書き込むな。
それで十分です。

 

ただ、自分自身への戒めとして一つ。

自分からノックした扉なら、閉めるときにも何か言おうね。