古塔つみ トレパク疑惑について/なぜこういうことが起きちゃうかを個人的に考える | バイク馬鹿 ロックベーシスト 西本圭介

バイク馬鹿 ロックベーシスト 西本圭介

テクニカルベーシストとしてベース・マガジンでも紹介 / ディープ・パープルのグレン・ヒューズ達と共にヨーロッパ11カ国を周り、また巨匠ビリー・シーンと共にKoRnのドラマー[レイ・ルジアー]のリズム隊として登場。

こんにちはけーすけです。

 

今日は巷で話題になっている、ポケモンやYOASOBI等とコラボするほどの人気を誇る古塔つみ の作品のその多くはトレースだったという話題。

 

知らない人は他人のまとめサイト読んでみて。

 

 

トレース(トレス)というのは複写行為のことをいうのだけど、彼の作品には元ネタがあり、それをなぞって書いた。またはコンピューターのソフトウェアの機能を使って、元の写真を反転させたりした上でイラストっぽく加工したという疑惑があるようです。

 

フォトショップには写真を絵画風に簡単に加工できる機能があるけど、そういうのを駆使していたのではないかということです。

 

 

個人的にいろいろとネットを調べてみた限りでは、本人さんは謝罪文内にて【私はかねてより写真素材や実際のモデルさんの写真を参考資料に制作することが多く、この度、話題に挙げられている中には同様の手法で制作したものもございます。しかし、写真そのものをトレースしたことはございません。】
と弁明しているが、さすがに写真そのものをトレースしたことはございません。の言い訳は苦しい。

 

 

僕の意見は簡単なんです。

 

アーティストは羞恥心を持て

アーティストは品格を持て

 

僕自身はこれを常に肝に銘じています。

 

今日の話は以上っ!!! で締めくくりたいくらい。

 

 

でも少し考えを書くよ。

 

音楽の世界でも有名曲をトレスしたような作品はいくらでもある。

 

オマージュともいうし、悪質だとパクリというやつだ。

 

ただ、厳密にいうとコード進行にはある程度の限界があるし、日本人が好みそうなコード進行なんて何種類かしか無い。

 

そこに当てはめられるメロディーが似通ってくる確率はたかい。

能力のあるミュージシャンほど、たまたま耳にした良いメロディーが記憶に残ることがあり、自然に出てきてしまって、似たような曲が生まれるということは十分にあり得るのだ。

 

ギターやベーシストが弾くフレーズだって先人たちが作ったフレーズのトレースなんて日常的にある。

というか、全く未知のフレーズをいつも弾いていたら多分多くの人がそれを良いとは判断しない。

 

大衆はいつも聞いている定番のフレーズや耳馴染みのいいフレーズを求めるからだ。

だからミュージシャンでも模倣は必要な通過点であり、模倣力は食うために必要な能力ともいえる。

 

誰の模倣もしないとする。例えば、生まれてから、一度も音楽を聞かさない無人島で育てられた人にピアノを渡して、独自に編み出した音楽のようなものを大衆が耳馴染みの良い音楽として本当に聞けるのか?

 

だから音楽、あえてポップスというけど、それって模倣とトレスとオマージュによって出来上がってるといえる。

 

なので、僕は偉そうに人に対してトレスはだめじゃ!!! 

と袋叩きにしたいという意図はない。

 

このような作風かテクニックというのは一定の量で業界にはあると思うからだ。

 

ただ、それが今をときめくYOASOBIのキービジュアルなどを手がけたことがまずかった。

 

要するに、めちゃ儲けているということが伝わってしまったから、このトレスに対して嫌悪感を抱く人が多かったのだと思う。

 

 

 

ここからはなぜ、今こういうことが起きやすい世の中なのかを考察してみる。

 

 

僕はネット社会だということが一番の原因だと思っている。

 

 

もしも、これがネットのない時代だとすると、この人が作品を出すまでに多くの【プロの目】を通過しないと夜に出ていなかったはず。

 

例えば雑誌の編集部の目を通過していたら、この人の作風に一貫性がなくて、有名な漫画家やイラストレーターの模倣であることも容易に気がついていたはず。

そして、有名な映画やフォトグラファーの作品のトレスだと一瞬で気がついていて、コンペでも一瞬で落ちていただろう。

 

ただ、現代というのは、若者の文化では特に素人臭いものが受ける時代だと僕は思っている。

 

今の若い子たちというのはプロの目を通っていない、いわゆるインディーズ、いや普通の人達から火がつくような作品を良いものだと思っているフシがある。

 

メジャーが出しているものよりも、知る人ぞ知るネットから出てきたものが良いと感じてしまう時代。

 

もちろん、メジャーが良くて、インディーズが悪いという意味ではない。

このあたりのニュアンスは察してほしい。

 

ゴージャスな本物の楽器の音ではなくて、チープなDTMサウンドのほうを好む時代というかね。

 

 

この古塔つみのSNSには多くのフォロワーがワイワイと賞賛のコメントを入れている。

多分、あまりイラストには詳しくなくて、江口寿史さんのことも知らないような若い子が中心だっただろう。

 

多分、プロからみたら素人のイラスト好きが急に脚光をあびたな、と思っていただろうと思う。

 

 

こういうことはミュージシャン界隈でもよく起きていること。

 

例えば、僕はベーシストなので、SNSでベースでバズっている人を見ることがある。

全員とは言わないけど、何人かは能力的にはたいしたことは無い、やっていることも誰かのパクリ。

または教授法も誰かのトレース。

 

だけど、特に若い子たちは、そのベーシストがアーティストとして見たときの、よし悪しの区別や判断ができないから、バズっている人は良いと誤認してしまって、みんなで良いと思い始める。

 

正直、他の楽器でバズっている人を見ても、能力は別にたいしたこともないし、アーティストとしてみても別に何も無い。

なんでこんな人がバズっているかが、全く理解できないことがある。

 

ただ、素人っぽさ、近所のお兄ちゃんっぽさ、身近な感じ、話が面白い。

そして、ミュージシャンでバスっている人が往々にして、お笑いっぽく、ふざけているようなノリ、またオタクっぽくしているという共通点もある。

 

要するに、今のネット文化自体が本来はプロのフィールドに出てくるべきではなかった、クラスに大抵一人いた人気漫画の模写のうまい人がたまたまプロフィールドに出てきてしまったということだろう。

 

クラスの中でおフザケしていたノリでそのままバスっちゃってお金入ったみたいな感じだ。

 

だから、その本人達が悪いということも無い。

 

楽しいからとノリでやっていたことがビジネスになってしまったときに、引き返せないという状態になったのだろう。

 

古塔つみというオッサンも多分、はじめは趣味程度のノリでやっていたので、トレスくらいいいだろうっと思っていただろう。

 

当初は手出し弁当でやっていれば、模写くらいって思っていたかもしれない。

 

それが脚光を浴びてしまって、もともとアーティストとしてのクリエイティビティを持ち合わせていなければ、パクリをするしか道がなかったのだろうと思ってしまう。

 

今の時代が生み出した悲しい人だとも思う。

 

こういう、羞恥心の無い、本来アーティストになるべきではないタイプというのはミュージシャンでももちろんいるわけで、結局の所、技術とかテクニックというのは大切なんだけど、アーティストに大切なことはクリエイティビティ(独創力・創造力)なんだ。

 

そして、それを発揮する精神面としてアーティストとしての品格と羞恥心を大切にする。

 

 

おそらく、この人は品格も羞恥心もクリエイティビティも持ち合わせていなかったからトレスで金儲けに走ったんだな。

 

これから若い子たちはネットで見たものをすぐに良いと判断せずに、やはり勉強をして知識を肥やして、良いものを見極める目を養わないと、容易に偽物を掴まされる時代だということに気をつけてほしい。

 

最後にヨアソビの関係者はこのイラストレーターにそもそも、個性も無い、他人の作風のパクリだということを気が付かなかったのだろうか。

 

それがきになる今日このごろです。