昨日の続き。



「ドリッパさーん、痛み止めお持ちしましたー!!」



天使のOさんが病室へ来ました。



「あっ、ありがとうございます!!」



「こちらに置いておきますねぇ!!」



天使のOさんはそう言いながら飯台の上へ薬を置きました。

なんとなく振り返って僕の方を見てニコッとする天使・・・・・

すぐ病室をはけてもいいのに微妙な間がそこにはありました。

当然のことですが、そこには何の変な意味もなくただただ純粋に天使によって
僕と会話をする時間を設けてくれたように感じられました。
(まぁ、僕が若干どんくさいのをわかって気遣ってくれた感じです・・・)



「あ、あのぉ・・・」



「はい!!」



「僕の手術の日のことなんですけど・・・」



「はい!!」



喉の異物感もありきですが一々言葉に微妙に詰まる僕に
め~っちゃくちゃ可愛い笑顔で元気良く相づちを入れてくれる天使のOさん・・・



「死にそうにグデ~ってなってた時に看てくれたのって・・・」



ここまで言った時、恥ずかしさを紛らわせたかったのもありましたが、
念のため彼女の名前を再確認する意味も込めてわざとらしくオーバーに首のアクションをつけて
彼女の胸元にある名札に目をやったあと彼女の顔を見直して続きを話始めました。



「Oさんでした?」



「はい!!Oさんです!!」



ここで天使がOさんであったと200%確認が取れました。

そしてこの時に天使のOさんはマスクを取り(院内で働く人たちは全員マスクを着用していました)、
顔を全部さらけ出して僕の笑いを誘うように
おどけた感じで僕の言い方をマネして自分で自分のことを『Oさん』と言いました。



「あ、え~と・・・本当にしんどくて全然顔とか見れてなくて・・・ただ声で憶えていて・・・え~と・・・本当にありがとうございました!!」



「いえいえ、ドリッパさんが回復して良かったです!!」



もぉぉぉぉぉ~~~~~本っ当にたっんまらなく可愛い笑顔で天使のOさんはそう応えてくれました。

そしてあの丸みを帯びた中にある凛とした強さのある優しい声・・・・・

ひっさしぶりに本当にガチで女の人にドキドキしました。

元来、神経質なモノなので正直人に対する気遣いは出来る方だと自負しているのですが、
如何せん不器用なモノなのでとっさに気の効いた言葉というのが出てこないタチでして・・・
何かもう一言天使のOさんに言いたいと思って頭の中グルグルさせてみたのですが、



「あっ・・・え・・・あ・・・え~と・・・心強かったです!!」



と、結果出てきた言葉は何とも微妙なモノ・・・・・

それに対して天使のOさんは笑っていました。



「本当にありがとうございました!!」



笑っている天使のOさんにもう一度感謝の言葉を述べました。



「いえいえ、じゃあ、また何かありましたらお声かけて下さいね!!おやすみなさい!!」



天使のOさんは僕に笑顔でそう応え病室を出て行きました。





い~や~、今となってはもういい思い出です・・・・・

本当に久しぶりに女の子にドキドキしました!!

彼女はただ普通に一生懸命にいつも通りの仕事をしただけのことでしょうが、
僕にとってはちょっとしたアバンチュール気分ですよ!!

バッカだなぁ~俺!!

でもなんか心地良い感じ!!

わかってもらえるかなぁ~・・・この感じ・・・???





天使のOさんはこの後僕が退院するまでにもう一回夜勤で病棟にはいましたが、
その日僕の病室担当ではなかったので廊下でニコッて可愛い笑顔を見せてくれる以外には
特に何の関わりを持つこともありませんでした。

願わくばもう一回ぐらい何か会話してみたかったです!!





みなさん!!

これマジっすよ!!

アニメやドラマだけの世界ではなく現実にもあるのです!!





   <白衣の天使への恋は200%存在する>
昨日の続き。



極々当たり前に検温、血圧、その日の様子と訊かれ、
滞りなく夜勤始まりの挨拶は終わりました。

お互い特に何も触れることはなく・・・・・

しかしその一連のやりとりでの彼女・・・Oさんの声の発し方のニュアンスで僕は確信しました。



     <Oさん=天使>



だと・・・・・

死にそうなタイミングでの僕の聴覚にブレがあったとしても
天使側の声の発するニュアンスに変わりはありません。

その僅かな時間のやりとりで
術後本当に死にそうなところに光を届けてくれた声だと確信したのです。

手術翌日、僕の方をずっと見ていたのも納得がいきますしね。

嫌らしい意味ではなく天使からすると僕がなぜ一言もお礼っぽい言葉を発しないのか不思議だったり
自分の方から術後の看護の時の話を切り出してもいいものなのかという想いなんかで
僕のことを見ていたのだと思います。



   <素敵な声を持つ天使=タイプのビジュアル=Oさん>



何とも絵に描いたようなしかもドラマのような展開!!

まぁ、それはそれです・・・・・当たり前ですが・・・・・

天使と想った看護士のビジュアルがタイプかどうかなんてことは関係なく
あの時看護してくれた天使の正体がはっきりした時にはきちんとお礼を言いたいと思っていました。

しかしここでひとつ大きな問題が・・・・・

僕はガキの頃から自分で『この子可愛いなぁ』と意識してしまうと
上手く話せなくなってしまう性分なのです・・・

オッサンになった今でもそれは変わりません・・・

何もあるわきゃないのに心の奥の方でな~んか変な淡い想い(スケベ根性?)を
勝手に抱いているんでしょうかねぇ?

本当にお恥ずかしい限りです・・・・・



『どのタイミングでどこで術後の看護の時の話をし出せばいいのか?』



Oさんが天使だと確信したその時からずっと僕の頭の中はそのことで一杯になってしまいました。

もちろん彼女は仕事中です。
お礼を言うためだけにナースコールでわざわざ呼ぶのは微妙な話です。
ナースステーションまで言って話かけるのも微妙・・・
廊下で話しかけるにしても彼女は仕事中だし、そもそもそんなタイミングが訪れるかどうか・・・
許される可能なタイミングは点滴の交換時。
でもその時に来る看護士がOさんとは限らない・・・

そんなことをずっとベッドで考えているうちに就寝時間前になりました。

熱い飲み物もダメ、冷たい飲み物もダメ、
そう言われていた僕はナースステーション内にある常温の麦茶を飲んで凄していました。
ああ、これもちろん誰もが自由に飲んでいいお茶ですからね!!
絶えず喉が乾いて痛くなるのでしょっちゅう麦茶を注ぎにナースステーションに行っていました。
どうせ僕は眠れやしませんが就寝時間になれば消灯してみんな静かになってしまいます。
なのでその前に麦茶を入れに行き痛み止めの効果も切れてきて喉が痛くなってきてたので
ついでにナースステーションでロキソニンを貰ってこようと思い病室を出ました。
麦茶を入れに行ったそのタイミングでたまたまナースステーションには誰も看護士はいませんでした。
仕方ないので病室に戻ったらナースコールでロキソニンを持ってきてもらえるように頼もうと思い
右手には麦茶の入ったマグカップ、左手には点滴のガラガラ引くヤツで、
ゆっくり歩き病室へと向かうと、廊下の向こうから看護士が・・・
その看護士に口頭でロキソニンを病室まで持ってきてもらえるように頼もうと思いました。
するとまぁ何と言う偶然でしょう?
始めは遠くてわからなかったのですが近づいて来るその看護士は何と天使のOさん!!



お恥ずかしい話ですが上記の通り僕は心臓バクバクで緊張しまくってきていました。



しかしそのタイミングを逃すといつお礼が言えるかもわからないので、
当初普通に話かけようと思っていた通りのテンションで自分に平静を装い
スレ違い様にOさんに話しかけました。



「あっ・・・すみません・・・あのぉ・・・痛み止めの効果が切れてきたみたいなのでロキソニンを頂きたいのですが・・・」



「はい、では病室までお持ちしますね!!」



ニコッと軽く笑い天使のOさんはそう応えてくれました。



続きはまた後日・・・・・
昨日の続き。



その日(術後2日目)の朝も喉の痛みで目が覚めました。
眠りに就いたのが4時頃で、起きたのが6時。
前日とほぼ変わらない就寝タイム。
痛みでなかなか寝付けず、ようやく寝付いても喉がすぐに乾燥して痛くなり目が覚める。
9日間の入院生活中ずっと睡眠時間2~3時間でした。
元々睡眠障害を患っているので
環境の違う所でいい睡眠が取れるハズもないってのも含まってたとは思いますが・・・

とにかく喉が痛いので飯前にはほぼ毎回ロキソニンを飲んでいました。
頭痛持ちなので割と日常でもロキソニンはよく飲んでいる薬です。
この日から妙に変な頭痛がし出したのですが、医者曰く術後の軽い後遺症とのことでした。
この頭痛は喉の痛み同様に退院後2~3日まで続いていました。
普段の頭痛はロキソニンさえ飲めば大体は痛みが治まることがほとんどなのですが、
術後の後遺症とかいうこの時の頭痛には全然効いてくれず結構ツライ思いをしました。
ロキソニンによる痛みを止める脳からの指令が全て喉の方にいってしまったような感じでした。

で、この日の食事のメニュー。
朝飯は三分粥に豆腐入りのうす~い味のお吸い物、牛乳、ヤクルト。
昼飯は朝のメニューにプラスしてプリン。
夕飯は朝のメニューにプラスして玉子豆腐。

塩気のないお粥って食ってて本当に気持ち悪くなります・・・
腹は減ってたのでお吸い物の豆腐は美味しく頂きました。
嫌いなヤクルトも全部飲みました。
プリンは超テンションが上がりましたが、甘過ぎて二口で終わりました。
玉子豆腐も元来好きではありませんが、この日はめちゃくちゃ美味しく感じました。

完全なる生理現象だと思うのですが、僕はマズいモノを口にすると反射的に吐いてしまいます。
これは贅沢を言ってるワケではなく本能なのです。
なので、飲食物にチャレンジ出来る人を羨ましく思います。
缶ジュースですら絶対に新しいのを自分で試すことはありません。
ケチなワケじゃないですよ!!
120円使ってマズかったら捨てる以外に選ぶ手段がないからです。
そんなもったいないことはしたくないのでチャレンジはしません。
ガキの頃、まだ缶ジュースが100円だった時に散々周りのツレからバカにされたなぁ・・・
若干意地になって無理矢理買った何かの缶ジュースが
マズくて一口飲んで誰かに残りを上げた時には軽く引かれたし・・・
ガキの時分じゃあ理解出来ないコトだったのかもしれません・・・

話を戻して・・・
特に好き嫌いは多い方ではないと思いますが味がマズいのはちょっと・・・
玉子豆腐は元来嫌いですが、この日は本当に美味しかった。
でも退院する前日(ほぼ毎日1回は出て来てた)にはもうマズくて食べれなくなってました・・・
やっぱり単なる贅沢か・・・?
飢餓状態のレベルによって身体の反応も違うんだろうなぁ・・・
こういったことはやはり贅沢ですね。
感謝しないとな・・・

と、話が戻ってなかった・・・
で、無理してでも食べないといけないのは、
飯全体の8割ぐらいは食べれるようにならないと点滴の栄養剤が外せないからという理由と、
喉にモノを飲み込むことによっての負荷をかける方が回復が早くなるからという理由でした。



喉ちんこは相変わらず大きく長く真っ赤に腫上がっていて会話はしにくいし、
ほぼ絶えず喉は痛いしで結構イヤな思いをしてるうちにあっという間に夕方になりました。



夕方5時になると夜勤担当の看護士が病室まで挨拶がてら
検温、血圧、その日一日の様子を訊きに来ます。

その日僕の病室の夜勤担当で来た看護士は前の日に何度も目を合わせていた彼女・・・



「今日夜勤担当のOでーす!!宜しくお願いしまーす!!」



『!!!!!!!!!!』



前の日何度も目は合わせていた彼女ですが、
会話をするようなタイミングはなかったのでその声を聞くことはありませんでした・・・



・・・前の日は・・・でも更に一日前・・・手術当日の術後・・・



100%の自信は持てませんでした。

死にそうなタイミングで五感で感じていた情報にブレがないという確証はありませんから・・・

でも、おそらく彼女・・・Oさんは・・・天使・・・

僕の死にそうなタイミングでの聴覚にブレがあったとしても
手術翌日のOさんとの異様な程の目の合い方は説明がつきます・・・



続きはまた後日・・・・・