日本最大の獣害事件③ | そうゆう星の生まれだもの・・・

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不幸を笑い飛ばしたい

明景家には妻「ヤヨ」、長男「力蔵」、次男「勇次朗」、三男「金蔵」、四男「梅吉」、長女「ヒサノ」、そして村民のために妻子を心配しながら苫前に事件を知らせに出向いた斉藤石五朗の妻「タケ」、三男「厳」、四男「春義」と用心棒として太田家の下宿人「オド」がいた。


ヤヨは救護隊員たちの夜食を作り、タケはお供え用の団子を作っていた。

遠くから異様な騒ぎが聞こえてきた。太田家の通夜にヒグマが乱入した騒ぎだ。


太田家と明景家の距離は五百メートルもない。騒ぎ聞きつけ救護隊員が太田家に向かったので、残ったのは婦女子とオドのみ

「火を絶やすな!薪をくべろ」

ヒグマは火を怖がると信じていた。

ヤヨが夜食のカボチャを鍋にかけた時、激しい物音と地響きをたて、黒い大きな塊が家の中に入ってきた。

※当時はカヤブキの家なので簡単に壁は破られる。


「誰だ!?」


ヤヨが叫んだが、立っていたのは巨大ヒグマ。

たちまち焚き火は蹴散らされ、屋内は真っ暗になった。


ヤヨが逃げようとした時、そばにいた勇次朗がヤヨの腰に飛び付いた。

ヤヨは梅吉をおぶっていたためバランスを崩し前にのめった。

ヒグマはヤヨの背中にいる梅吉の頭、足、腰に噛みつき三人を居間まで引きずり戻した。

ヒグマはヤヨに馬乗りになりヤヨの頭に噛みついた。ヒグマはヤヨとヒグマに挟まった状態の勇次朗に噛みかかろうとするが、ヒグマの胸元にすっぽり入り込んでいたためうまくいかなかった。


この光景を見たオドは外に逃げようとするが、ヒグマは三人を放し標的をオドに変えた。

この母子は重傷は負ったもののこのスキに隣家に逃げ込んで難を逃れた。

ヒグマに追い詰められたオドはヒグマに腰の辺りを噛まれ、尻から右股の肉をえぐりとられた。


「うぁー」

体が裂ける痛みにオドは絶叫。この叫びに驚いたヒグマは標的を居間に残った母子に向けた。


ヒグマは明景金蔵、斉藤春義を一撃で叩き殺し、斉藤勲を襲った。

この時、野菜置き場に逃げ身をひそめていた斉藤タケは我が子の断末魔のうめき声にたまらずムシロの影から顔を出してしまった。


ヒグマはタケを見つけ爪をかけて居間に引きずり出した。
臨月のタケはヒグマに

「腹破らんでくれ!喉食って殺して」

とお腹の我が子を思い叫んだ…


ヒグマはライオンなどとは違い、獲物を殺してから食うわけではない。

獲物は生きながらにして食われる。

ヒグマはタケの腹を引き裂きうごめく胎児を掻き出しタケを上半身から食い出した。