NHKラジオ「まいにちイタリア語(初級編)」

「めきめき上達! 初級イタリア語」 

Lezione sessantanove(Lesson 69) 第69課

 

※イタリア語を勉強する時、英語というフィルターに通すと理解が深まる気がしています。英語の勉強にもなりますしね。どちらの言語もまだまだ未熟なので、誤りなどのご指摘大歓迎です!

 

アンドレア先生:

Ciao a tutti, sono Andrea. Come state? 

(Hi everyone, I'm Andrea. How are you?)

 

カルラ先生:

Ciao, sono Carla. Siete pronti all'allenamento?

(Hi, I'm Carla. Are you ready for training?)

 

佳尉先生:

今回のテーマは会話トレーニングその3。
これまで学んできたことを使って実際に会話をする時、ぜひ覚えておいてほしい大切なポイントをご紹介します。

 

●ウォームアップ Ricardamento(Warm up)

L'anno scorso sono andato/a in Italia per la prima volta.

(I went to Italy for the first time last year.)

 

●Punto 1(Point 1)
佳尉先生:

それではポイント1。

イタリア語で何か言うときは、まず日本語で文を考えてから、それをイタリア語にすることも多いですよね。


ですが、頭に浮かんだ日本語をそのままイタリア語にはできないというケースも少なくありません。ここからはそんな時どうすればいいかその対処法を見て行きましょう。

カルラ先生:
Siete pronti?(Are you ready?)

佳尉先生:

さて、いきなりですが、僕たちは日本語がとても上手です。が、イタリア語で文を作るときはこの日本語の能力が問題を起こしてしまうこともあります。

アンドレア先生:
Che senso?(What's the point?)

 

佳尉先生:

僕たちの頭に最初に浮かんでくる日本語のフレーズは、単語が難しいことが少なくないんです。それをそのままイタリア語にしようとすると、すごく難しいフレーズを作らなくてはなりません。

カルラ先生:
Sì, forse questo succede spesso.
(Yes, maybe this happens often.)

佳尉先生:

そんな時は先ず元になる日本語をできるだけ簡単なものに直すところから始めましょう。
例えば、皆さんはフィレンツェでパッパルデッレをはじめとする郷土料理を食べたとします。このことを言おうとすると、「私はフィレンツェで郷土料理を堪能した」なんて、日本語が浮かんでくるかもしれません。


アンドレア先生:
Tan-nou-suru? Ma è difficile questo verbo.
( Tan-nou-suru?But this verb is difficult.)

 

佳尉先生:

「堪能する」という動詞、難しいですよね。こんなふうにイタリア語でなんと言えばいいか分からない単語は辞書でイタリア語の訳語を調べる前に、すでに知っている単語や表現を使って言い換えることはできないか考えてみましょう

カルラ先生:
In questo caso, per esempio, si potrebbe usare il verbo mangiare.
(In this case, for example, the verb mangiare could be used.)

佳尉先生:

料理を堪能したということは、一番簡単に言えば食べたわけですよね。ですから、まずはmangiare「食べる」を使って、

カルラ先生:
A Firenze ho mangiato la cucina locale.
(In Florence I ate local cuisine.)

 

佳尉先生:

さらに、堪能したということは、お料理はきっととても美味しかったはず。この後、「とてもおいしかった」と続けるなら、
 

Era molto buona.
(It was very good.)
essereは半過去3人称単数形era、buonoは la cucinaに合わせてbuonaにします。

 

A Firenze ho mangiato la cucina locale. Era molto buona.

(In Florence I ate local cuisine. It was very good.)

 

佳尉先生:

今回は「堪能した」を「~を食べた。おいしかった」と言い換えてみましたが、もちろんほかの訳し方もできるはず。大事のはイタリア語で文を作るとき、元になる日本語をできるだけシンプルなものにすること。そうすれば今知っている単語や表現だけでも既にかなりのことが言えるはずですよ。

 

●Punto 2(Point 2)

佳尉先生:

続いてポイント2。

ウォームアップの

L'anno scorso sono andato/a in Italia per la prima volta.

(I went to Italy for the first time last year.)

「去年私は初めてイタリアに行った」。これにつづくフレーズをさらに考えてみましょう。

例えば、ミラノに行ったら、ダヴィンチの有名な絵画最後の晩餐はきっとみますよね。「ミラノで見た最後の晩餐はとてもきれいだった」というフレーズはどうでしょう。

 

アンドレア先生:

Questa frase sembra molto semplice.

(This sentence seems very simple.)

 

佳尉先生:

「このフレーズなら簡単にイタリア語にできそう」。皆さんそう思うかもしれません。

 

カルラ先生:

Ma in realtà non lo è per niente.

(But in fact it is not at all.)

 

佳尉先生:

ですが、この文、「ミラノで見た」、「綺麗だった」という二つの動詞が含まれているので、実は結構複雑なんです。こんなふうに動詞が複数含まれている日本語の文は、まずシンプルな文に分けるところから始めましょう。

 

アンドレア先生:

Così è molto semplice dire questa frase in italiano.

(So it's very simple to say this sentence in Italian.)

 

佳尉先生:

「ミラノで見た最後の晩餐はとてもきれいだった」なら、
「私はミラノで最後の晩餐を見た」と「とても綺麗だった」の二つに分けます。
こうすればイタリア語にするのはとても簡単。まず「私はミラノで最後の晩餐を見た」
A Milano ho visto l'Ultima Cena.
(In Milan I saw the Last Supper.)

ここに「とても綺麗だった」を続けるなら、
Era molto bella.
(It was very beautiful.)

※Cena → bella

 

A Milano ho visto l'ultima cena. Era molto bella.

(A Milano ho visto l'ultima cena. Era molto bella.)

 

二つ以上の動詞が含まれているものは、まずシンプルな文に分けてからイタリア語にする。これができるようになると、イタリア語で言えることがどんどん増えていきますよ。

 

 

●Prima di allenarci(Before training)

佳尉先生:

では、今回もトレーニング前にサプリメントを。

ここまで見てきたようにイタリア語で会話をするときは最初に思い浮かんだ日本語を必要に応じて簡単な文に直してからイタリア語にするのがポイントです。

 

カルラ先生:

E cercate di usare le stesse parole tante volte.

(And try to use the same words many times.)

 

佳尉先生:

それと同時にお勧めしておきたいのが、できるだけ同じ単語を使うよう心がけるということ。

 

アンドレア先生:

Per imparare ad usare una parola ci vuole tempo.

(Learning to use a word takes time.)

 

佳尉先生:

動詞でも名詞でも一つの単語本当に使いこなせるようになるには、それを繰り返し使う必要があります。

 

カルラ先生:

In Italia si dice, "Chi va piano va sano e va lontano."

(In Italy they say, "He who goes slowly goes safely and goes far.")

 

佳尉先生:

イタリア語には「ゆっくり行くものは確実に遠くまで行く」という格言があります。日本語の「急がば回れ」と同じことです。

 

Chi va piano va sano e va lontano.

(Slow and steady wins the race.)

 

佳尉先生:

イタリア語の習得には反復トレーニングが欠かせません。まずはこれまでこの講座でご紹介してきた単語や表現を本当に使いこなせるようになるまで何度も繰り返しトレーニングしてくださいね。

 

●E ora alleniamoci.(And now let's train.)

▼メニュー1 

「~を堪能した」をイタリア語に変える練習

→ 「~を食べた」「とても美味しかった」

①「ナポリで私はピッツァを堪能した」

A Napoli ho mangiato la pizza. Era molto buona.

(In Naples I ate pizza. It was very good.)

 

②「フィレンツェで私はステーキを堪能した」

A Firenze ho mangiato la bistecca. Era molto buona.

(In Florence I ate the steak. It was very good.)

 

▼メニュー2

複雑なフレーズを二つの文に分けてからイタリア語にする練習

①私がローマで訪れたコロッセオはとてもきれいだった。

A Roma ho visitato il Colosseo. Era molto bello. 

(In Rome I visited the Colosseum. It was very beautiful.)

 

②私がヴェネチアで泊まったホテルはとても素敵だった。

A Venezia ho dormito in un albergo. Era molto bello.

(In Venice I stayed in a hotel. It was very nice.)

 

佳尉先生:

頭に浮かんだ日本語は、必要に応じて簡単な日本語に置き換えてからイタリア語にする。

 

カルラ先生:
Non dimenticate di allenarvi anche da soli.
(Don't forget to practice on your own as well.)

 

佳尉先生:

実際に会話をすると、これが咄嗟にできるよう自主トレもお忘れなく。
今回の内容はいかがでしたか?次回はおさらいです。これまで学んできたことを実際に使ってきますよ。楽しみに。

 

アンドレア先生:

Alla prossima puntata.

(Until next time.)

 

カルラ先生:

Buon allenamento a tutti.

(Have a good workout, everyone.)

 

※今日のレッスンは気づかされることが多かったとように思います。

すでに知っている単語や表現を使って言い換えることはできないか考える。

②二つ以上の動詞が含まれているものは、まずシンプルな文に分けてからイタリア語にする。

これは他の言語にも当てはまりそうですよね。

 

ただ、語学学習者の深い悩みもそこにあるようにも思います。

つまり、日本語の精神年齢と他言語における精神年齢のギャップが受け入れられないという...(私だけかな?)

 

まあ、ここは”〇〇の坂田”先生を見習って笑い飛ばす(笑い飛ばされる?)スピリットでカヴァーするしかないと最近は腹をくくっておりますが 笑

人生1度きり、しかも思っているほど時間は残っていないのかもしれませんから 笑

 

UnsplashVeri Ivanovaが撮影した写真