NHKラジオ「まいにちイタリア語(初級編)」

「めきめき上達! 初級イタリア語」 

Lezione venti(Lesson 20) 第20課

 

※イタリア語を勉強する時、英語というフィルターに通すと理解が深まる気がしています。英語の勉強にもなりますしね。どちらの言語もまだまだ未熟なので、誤りなどのご指摘大歓迎です!

 

アンドレア先生:

Ciao a tutti, sono Andrea. Come state? 

(Hi everyone, I'm Andrea. How are you?)

 

カルラ先生:

Ciao, sono Carla. Siete pronti all'allenamento?

(Hi, I'm Carla. Are you ready for training?)

 

佳尉先生:

今回のテーマは受け身のsiと非人称のsi。前回に引き続き主語が誰なのかはっきり決めることができない、そんなときの文の作り方を見て行きますよ。

 

●ウォームアップ Ricardamento(Warm up)

Da dove si entra?

(Where do you enter from?)

 

佳尉先生:

例えば、イタリアの美術館で入り口が見つからない。そんな時に使えそうなフレーズ。

 

●Punto 1(Point 1)

佳尉先生:

それではポイント1。
今回の主役非人称のsiは漠然と人をあらわす代名詞で、

▼「一般的に人はこんな風にする」と言う時の主語として使います。例えば、イタリアの美術館で係の人に「どこから入るのですか?」と入り口の場所を尋ねるとしましょう。この場合、入るのは私や君のような特定の誰かだけではありませんよね。

アンドレア先生:

Tutti entrano dalla stessa entrata.

(Everyone enters through the same entrance.)

 

佳尉先生:

みんな同じ入り口から入るはずです。こんな時に使うのが非人称のsi。

使う時のルールは3つ。
①非人称のsiは必ず動詞の直前に置く。

 

カルラ先生:

Questa regola è semplice.

(This rule is simple.)

 

佳尉先生:

このルールはシンプルですよね。2つ目のルールは、
②自動詞の3人称単数形と一緒に使う。
ウオームアップのフレーズ。「どこから入るのですか?」では、自動詞entrareの3人称単数形entraの前に非人称のsiが置かれていました。

さて、非人称のsiを使う時の2つ目のルールにはさらに続きがあります。それは,

直接目的語を伴わない他動詞と一緒で使うこともできるということ。
例えばmangiare、元々は何々を食べるという意味の他動詞ですが、直接目的語なしで使うと食事をするという意味になります。非人称のsiとセットにするときは3人称単数形にして
si mangia
これで「人は食事をする」。ここに「よく」という意味の副詞bene、さらにin Italia「イタリアで」を加えれば、
In Italia si mangia bene.
(People eat well in Italy.)
(The food is delicious in Italy)
「イタリアで人はおいしく食事をする」つまり、「イタリアは食事が美味しい」という意味になります。

 

●Punto 2(Point 2)

佳尉先生:

続いてポイント2。今度は受け身siと非人称のsi、この2つのsiを使った質問にどう答えればいいかを見て行きましょう。
どちらも気をつける点は2つ。
 

▼まず動詞の活用は常に質問と同じものを使います。

アンドレア先生:

Quindi è molto importante ascoltare bene la domanda.
(So it is very important to listen to the question carefully.)

ですから質問をしっかり聞くのが重要です。例えば、イタリアの人に、
In Giappone si mangia bene?
(Is the food in Japan delicious?)
 

「日本は食事が美味しいですか?」と聞かれたとしましょう。「はい、美味しいですよ」と答えるなら、質問と同じ、
si mangia
こちらを使って、
In Giappone si mangia bene?
ー Sì, si mangia bene.

(Is the food in Japan delicious?

ー Yes, it's delicious)

 

2つ目は、
▼動詞とセットになる名詞があるときはそれを省略するということ。例えば、
In Giappone si mangiano i carciofi?
(Are artichokes eaten in Japan?)

「日本ではアーティチョークは食べられていますか?」
この質問に「はい、食べられています」と答えるときは、
動詞は質問と同じ
si mangiano
一方を、この文では動詞とセットになっている、
 i carciofi
「アーティチョーク」
こちらが主語です。質問に答えるときは、主語は繰り返さずに省略するので返事は、
Sì, si mangiano.
こんなふうにシンプルになります。

In Giappone si mangiano i carciofi?
ー Sì, si mangiano.
同じ質問に「いいえ、食べられていません」と答えるなら、
ー No, non si mangiano.

受け身のsiと非人称のsiを使った質問、今の点を意識すれば、らくらく返事ができるはずですよ。

 

●Prima di allenarci(Before training)

佳尉先生:

では、今回もトレーニング前にサプリメントを!

ここまで受け身のsiと非人称のsiの使い方をみてきましたが、どっちがどっちだか混乱すると思っている方、きっといらっしゃいますよね。
 

アンドレア先生:
Non vi preoccupate.
(Don't worry.)

ご心配なく。ここまでの開設は受け身のsiと非人称のsiの使い方を正しく理解するための文法上の説明でした。
 

カルラ先生:

Per usarli non è molto importante distinguere il si passivante dal si impersonale.
(To use them it is not very important to distinguish passivating si from impersonal si.)

▼受け身のsiと非人称のsiはどちらも人々が一般的にしていることについて使います

ですから、実際に使う上では厳密に区別する必要はないんです

▼重要なのは、使うときのルールをしっかりマスターすることというわけで、ここでもう一度整理しておきましょう。

 

①Regola uno(Rule 1)
受け身のsiと非人称のsiはどちらも動詞の直前に置きます。

②Regola due(Rule 2)
動詞とセットになる名詞がある時は、それが単数形なら動詞を3人称単数形に、複数形なら3人称複数形にします。


③Regola tre(Rule 3)
動詞とセットになる名詞がない時は動詞を3人称単数形にします。

 

こうやってまとめておけば、使うときのルールもかなりシンプルになりましたよね。受け身のsiと非人称のsiは今の3つのルールを意識しながら、両方一緒にトレーニングしましょう。

 

●E ora alleniamoci.(And now let's train.)

▼メニュー1 

①In Giappone si mangiano tanti piatti di pesce.

(A lot of fish dishes are eaten in Japan.)

 

②A Napoli si mangia bene?

(Is the food in Naples good?)

 

③Dove si paga?

(Where do you pay?)

 

④In Giappone si usano le bacchette.

(In Japan, chopsticks are used.)

 

▼メニュー2

①In Giappone si mangiano le ostriche?
ー Sì, si mangiano.
(Are oysters eaten in Japan?
ー Yes, they are eaten.)

 

②In Giappone si mangia bene?
ー Sì, si mangia bene.

(Is the food in Japan good?

ー Yes, it is.)

 

③Come si mangia il sushi?

ー Si mangia con le mani o con le bacchette.
(How do you eat sushi?
ー It is eaten with the hands or chopsticks.)

 

④Anche in Giappone si beve l'espresso?
ー Sì, si beve.

(Is espresso also drunk in Japan?
ー Yes, it is.)

 

アンドレア先生:

Alla prossima lezione.

(Until the next lesson.)

 

カルラ先生:

Buon allenamento a tutti.

(Have a good workout everyone.)

 

※今回のレッスン最初の方で佳尉先生が、

Da dove si entra?

(Where do you enter from?)を

『イタリアの美術館で入り口が見つからない。そんな時に使えそうなフレーズ。』

とおっしゃっていましたね。

2007年にイタリアを旅行した時に全くその通りの体験をしました。

ミラノにあるブレラ絵画館ですね。

ツアーのフリーの時間に行ったので、結構不安でした。

リンク先を見ていただくと「ここならすぐわかるでしょ」って思うかもしれませんが、日本みたいに美術館が単体であるわけではないですし、あたりはみんな古い建物なので...

「この建物のはず」とは思っても入り口が分からず恐る恐るという感じでした。

 

ここで、忘れられない絵画が『死せるキリスト』でした(って名前忘れてて、検索してから書いてます 笑)

15世紀後半の北イタリア絵画を代表する画家のひとり、アンドレア マンテーニャの作品とのことです。リンク先で確認できますよ。

 

UnsplashAmy-Leigh Barnardが撮影した写真

(写真はブレラ絵画館ではありません)