NHKラジオ「まいにちイタリア語(初級編)」

「めきめき上達! 初級イタリア語」 

Lezione diciannove(Lesson 19) 第19課

 

※イタリア語を勉強する時、英語というフィルターに通すと理解が深まる気がしています。英語の勉強にもなりますしね。どちらの言語もまだまだ未熟なので、誤りなどのご指摘大歓迎です!

 

アンドレア先生:

Ciao a tutti, sono Andrea. Come state? 

(Hi everyone, I'm Andrea. How are you?)

 

カルラ先生:

Ciao, sono Carla. Siete pronti all'allenamento?

(Hi, I'm Carla. Are you ready for training?)

 

佳尉先生:

今回のテーマは受け身のsi。
イタリア語で文を作る時、まず最初に考えるのは、「主語は誰か」ですよね。ただ、場合によっては主語が誰なのかはっきり決めることができない、なんてケースもあります。今回はそんな時に使う受身のsiを見ていきますよ。

 

●ウォームアップ Ricardamento(Warm up)

Come si mangia questa verdura?

(How do you eat this vegetable?)

 

●Punto 1(Point 1)

佳尉先生:

▼イタリア語の大きな特徴は、主語に合わせて動詞の形が変わること。ですから、文を作るときは主語は誰かを考えるのがとても重要です。

▼ただ、なかには「私」や「君」のような特定の誰かが主語とは言えない文もあります。例えば、イタリアの市場で珍しい野菜を見つけて、その食べ方を店員さんに聞くなんて時。丁寧にあなたを主語にして、

Come mangia questa verdura?

(How do you eat this vegetable?)

▼これだと「あなたはこの野菜をどうやって食べていますか?」と店員さん個人の食べ方を訊くことになってしまいます。これは変ですよね。

 

▼こんな時使うのが受け身のsi。「この野菜はどうやって食べられていますか?」と受け身にすることで。一般的に人々がしていることとして話すことができるんです。

 

カルラ先生:

Adesso vediamo due regole per usare il si passivante.
(Now let's look at two rules for using si passive.)

 

この受け身のsiを使うときのルールは2つ。
①受け身のsiは必ず動詞の直前に置くということ。
②受け身のsiを使うときは他動詞とセットになっている名詞に合わせて動詞を活用させる。

アンドレア先生:

La seconda regola è un po difficile da capire.
(The second rule is a little difficult to understand.)

2つ目のルールは言葉で聞いただけではちょっと分かりにくいですよね。どういうことかすぐに解説しましょう。
 

受け身のsiはその名の通り一緒に使う他動詞を受け身の意味に変えるという役割を持っています。例えば、
mangiare questa verdura
この野菜を食べる。
 

これを受け身のsiと一緒にすると
si mangia questa verdura
この野菜は食べられる
 

▼こんなふうに元は直接目的語だったquesta verduraの方が主語になる

もちろんこの場合、

動詞mangiareは主語のquesta verduraに合わせて3人称単数形mangia にします。これが先ほどの受身のsiを使うときは、他動詞とセットになっている名詞に合わせて動詞を活用させるというルールの意味なんです。
 

カルラ先生:

Avete capito?(Did you understand?)
 

Come si mangiano questi funghi?

(How are these mushrooms eaten?)

 

●Punto 2(Point 2)

佳尉先生:

続いてポイント2
ここからは受け身のsiをある国や町で人々が一般的にしている事柄について使ってみましょう。
 

アンドレア先生:

Ad esempio, usando il si passivante potete parlare delle usanze Giapponesi.

(For example, using the passive si you can talk about Japanese customs.)


例えばイタリアの人に日本はこんな国なんだよと説明する時に、受け身のsiは大活躍します。「日本ではたくさんの種類の魚が食べられています」なら、

 

In Giappone si mangiano tanti tipi di pesce.

(Many kinds of fish are eaten in Japan.)

 

佳尉先生:

一般的にされていることについて文を作ってみましょう。
日本でもかつて大流行したマリトッツォ。あのまん丸のパンにたっぷりの生クリーム入れたやつです。

 

アンドレア先生:

Sì, il maritozzo è un dolce romano. Lo conoscete?

(Yes, maritozzo is a Roman dessert. Do you know that?)

 

佳尉先生:

あれって元々はローマのものなんですよね。ローマでマリトッツォは朝食に食べられていますか?質問するなら、

 

A Roma si mangia il maritozzo a colazione?

(Do people in Rome eat maritozzo for breakfast?)

 

佳尉先生:

ちなみにアンドレはローマ大学の卒業ですよね。マリトッツォって朝ごはんに食べるんですか?

 

アンドレア先生:

Sì, si mangia. Perché?

(Yes, it is eaten. But why?)

 

佳尉先生:

うぁ~、あの甘いマリトッツォ、やっぱり朝ご飯にも食べるんですね。恐るべしです。
 

佳尉先生:

受け身まずはイタリアや日本のような国、あるいはローマのような街といった具体的な範囲を設定して、そこで一般的にされていることについて使ってみましょう。

 

●Prima di allenarci(Before training)

佳尉先生:

では、今回もトレーニング前にサプリメントを!

今回の主役受身のsi。受け身と言う名前が付いていますが、場合によっては受け身にあまりこだわらず、「~する」と訳した方が自然なこともあります。例えば、ウオームアップの

Come si mangia questa verdura?

 

このフレーズ。先ほどは「この野菜はどうやって食べられていますか?」と受け身で訳しましたが。「この野菜はどうやって食べるんですか?」と約したほうが日本語としては自然ですよね。

 

カルラ先生:

L'importante è sapere quando e come usare il si passivante.

(The important thing is to know when and how to use passivating si.)

 

 

アンドレア先生:

Sì, sono completamente uguali.
(Yes, they are completely the same.)

 

佳尉先生:

重要なのは、受け身のsiを使うべき場面を自分で判断できること。特定の誰かではなく、人々が一般的にしていることについて話すときは、受け身のsiを使う。まずはここからトレーニングを始めましょう。

 

●E ora alleniamoci.(And now let's train.)

▼メニュー1 

①Anche in Italia si mangia l'anguilla?

(Is eel also eaten in Italy?)

 

②Anche in Giappone si mangiano le ostriche.

(Oysters are also eaten in Japan.)

 

③In Italia quanti tipi di pasta si mangiano?

(How many types of pasta are eaten in Italy?)

 

▼メニュー2

①In Italia si mangia il pesce crudo?
(Is raw fish eaten in Italy?)

 

②Mangiate il pesce crudo?

(Do you eat raw fish?)

 

③In Giappone si mangia la carne di cavallo.
(Horse meat is eaten in Japan.)

 

佳尉先生:

受け身のsiはイタリア語で話すときに欠かせません。

 

アンドレア先生:

Allenatevi anche da soli, eh?

(Practice on your own, too.)

 

佳尉先生:

まずは使い方の基本、そしていつ使えばいいかをしっかりそれでおさらいしてくださいね。

 

カルラ先生:

Mi raccomando.

(Be sure to.)

 

アンドレア先生:

Ciao alla prossima lezione.

(Bye, see you next lesson.)
 

カルラ先生:

Buon allenamento a tutti.

(Have a good workout everyone.)

 

【Maritozzo】(ウィキペディアより)

※またまた出ましたMaritozzo!イタリア語講座では半年ぶりかな。

佳尉先生が言うように、「あの甘いマリトッツォ、やっぱり朝ご飯にも食べるんですね。恐るべしです。」に100%同感。とは言え。マリトッツォまだ食べたことないんですけどね(笑)

空腹時に甘いもの食べると血糖値が急上昇して...なんて言われちゃうんですけど、食後より空腹時に食べたいんですよね...これ私だけかな?