NHKラジオ「まいにちイタリア語(初級編)」

「めきめき上達! 初級イタリア語」 

Lezione sette(Lesson seven)第7課

 

※イタリア語を勉強する時、英語というフィルターに通すと理解が深まる気がしています。英語の勉強にもなりますしね。どちらの言語もまだまだ未熟なので、誤りなどのご指摘大歓迎です!

 

アンドレア先生:

Ciao a tutti, sono Andrea. Come state? 

(Hi everyone, I'm Andrea. How are you?)

 

カルラ先生:

Ciao, sono Carla. Siete pronti all'allenamento?

(Hi, I'm Carla. Are you ready for training?)

 

佳尉先生:

第7課。今回のテーマは他動詞dare(give)と間接目的語。dareは「この本あげるよ」のように何か物を「あげる」と言いたいときに使う動詞です。

 

カルラ先生:

Questo verbo sembra semplice, ma in realtà non lo è.

(This verb seems simple, but in reality it is not.)

 

佳尉先生:

とってもシンプルに見えるこの動詞ですが、実はなかなか奥が深いんです。

 

●ウォームアップ Ricardamento(Warm up)

Mi dà un bicchiere d'acqua, per favore?

(Could you give me a glass of water, please?)

(Could I have a glass of water?)

 

佳尉先生:

「お水をいっぱいくれますか?」イタリアのバールのカウンターで目の前にいる店員さんにお願いするそんなフレーズです。最初のmiは間接目的語代名詞で「私に」、動詞はdare「与える」の3人称単数形da。Mi dàこれで「あなたは私に与える」、つまり「私にくれる」になります。

 

▼dare(give)の活用

do, dai, dà, diamo, date, danno

※1人称単数、2人称単数、3人称単数、

1人称複数、2人称複数、3人称複数の順

 

●Punto 1(Point 1)

佳尉先生:

それではポイント1。

今回の主役、動詞dareは他動詞。ということは、mangiare(eat)やaspettare(wait)と同じ仲間です。

▼他動詞は直接目的語と一緒に使うのが特徴でしたね。例えば、
 

Do questo libro.
 

「私はこの本をあげる」なら、 questo libro「この本」が直接目的語です。

ただ、皆さん、このフレーズ、何か足りない気がしませんか?

 

アンドレア先生:

Sì, ci viene voglia di chiedere, ”A chi lo dai?”

(Yes, it makes us want to ask, "Who are you giving it to?")

 

佳尉先生:

こんな風に言われたら、きっと「誰にあげるの」と聞きたくなるはずです。この「だれに」に当たる部分を間接目的語と言います。
「私はこの本をパオロにあげる」なら、
 

Do questo libro a Paolo.

a Paoloが間接目的語です。dareという動詞は、こんなふうに「~を...に与える」という形で使うのが特徴。

 

カルラ先生:

Questi verbi hanno un uso un po particolare.

(These verbs have a somewhat particular use.)

 

佳尉先生:

直接目的語にも直接目的語代名詞があったように間接目的語にも間接目的語代名詞があります。

 

間接目的語代名詞

私に:mi(me)

私たちに: ci(us)

あなたに:ti(you)

あなたたちに vi(you)

※直接目的語代名詞と同形

 

3人称の間接目的語代名詞

彼に:gli

彼女に:le

あなたに:Le ※敬称

彼[彼女]らに:gli

 

※補足【直接目的語代名詞の復習】

直接目的語代名詞

私を:mi(me)

私たちを: ci(us)

あなたを:ti(you)

あなたたちを vi(you)

 

3人称の直接目的語代名詞

男性単数形のlo
男性複数形のli
女性単数形のla
女性複数形のle

▼この4つは「もの」に加え「人」にも使えます。

▼どれも動詞の直前に置きます。

 

Gli dà un bicchiere d'acqua, per favore?

(Would you give him a glass of water, please?)

 

●Punto 2(Point 2)

Mi dà una mano, per favore?

(Could you give me a hand, please?)

 

Le do una mano?

(Shall I give you a hand?)

 

●Prima di allenarci(Before training)

佳尉先生:

では今回もトレーニング前にサプリメント
動詞dareはなかなか奥が深いですよね~


カルラ先生:

Ma anche per me è stato molto difficile imparare il verbo dare in giapponese.

(But it was also very difficult for me to learn the verb dare  in Japanese.)

 

佳尉先生:

ん?カルラにとってはdareの日本語を覚えるのが難しかったってどういうことです?

 

カルラ先生:

In italiano basta usare dare, ma in giapponese bisogna usare "あげる", ”もらう”, ”くれる”.

(In Italian you just need to use dare, but in Japanese you have to use "あげる", ”もらう”, ”くれる”.)

 

佳尉先生:

あ~、確かに日本語は誰が誰にあげるかによって動詞そのものを変えますもんね。

 

アンドレア先生:

E poi ci sono anche  ”いただく”, ”ちょうだい”.

(And then there are also “いただく”, “ちょうだい”.)

 

佳尉先生:

(笑)「いいただきます」やら「ちょうだい」まで加えたら確かに混乱しそうです。それに2つ組み合わせて「このリンゴをもらってくれない」なんて使い方もします。

 

カルラ先生:

Ma chi da le mele a chi?

(But who gives apples to whom?)

 

佳尉先生:

もはや「誰が誰に」りんごをあげるのか、すぐにはわからないかもしれないですね。そんな日本語に比べれば、イタリア語は「誰が誰に」という点をしっかり考えれば動詞はdare1つで済みますから、むしろ楽かもしれませんよ。

 

●E ora alleniamoci.(And now let's train.)

▼メニュー1 

dareの活用練習

①Diamo queste scarpe a Paolo.

(We give these shoes to Paolo.)

 

②皆さんは一人でイタリアを旅行しています。ショッピングをしようと入ったお店で店員さんに「アドバイスをくれますか?」とお願いするならdareの活用は?

 

Mi dà un consiglio?

(Could you give me some advice?)

 

③皆さんは重たい荷物を混んでいます。そこに友人が一人通りかかりました。「手を貸してくれる」とお願いするならdareの活用は?

 

Mi dai una mano?

(Can you give me a hand?)

 

④皆さんは一人でイタリアを旅行しています。街を歩いていると、道で困っているイタリア人夫妻を見かけました。「手を貸しましょうか」と申し出るなら、dareの活用は?

 

Vi do una mano?

(Shall I give you a hand?)

(Do you need some help?)

 

▼メニュー2

①皆さんはイタリアを一人で旅行しています。バールの店員さんに「お水を一杯くれますか」とお願いするなら?

 

Mi dà un bicchiere d'acqua, per favore?
(Could you give me a glass of water please?)

(Could I have a glass of water, please?)

 

②またしても皆さんは一人でイタリアを旅行中です。タクシーの運転手さんに「手を貸してくれますか?」とお願いするなら?

 

Mi dà una mano, per favore?

(Could you give me a hand, please?)

 

③皆さんは友人とイタリアを旅行しています。観光案内所で「町の地図を一枚くれますか?」とお願いするなら?

 

Ci dà una mappa della città, per favore?

(Would you give us a map of the city, please?)

 

 

④今度は一人旅。道で困っている一人のご婦人を見かけました。「手を貸しましょうか」と申し出るなら?

Le do una mano?

(Shall I give you a hand?)

 

佳尉先生:

日本語では省略されてしまうことの多い間接目的語。

 

アンドレア先生:

Ripassate bene quello che abbiamo fatto oggi.

(Review well what we did today.)

 

佳尉先生:

日本語とイタリア語の違いを意識しながら、今日の内容をおさらいしておいてくださいね。

 

アンドレア先生:

Alla prossima lezione.

(Until the next lesson.)

 

カルラ先生:
Buon allenamento a tutti.

(Have a good workout, everyone.)

 

UnsplashKelly Sikkemaが撮影した写真

 

※カルラ先生のおっしゃる"あげる", ”もらう”, ”くれる”の使い分けは、日本人には当たり前でも、指摘されるとなるほどと思えますね。これは英語のgiveにも言えますよね。give meになると「あげる」じゃなく「くれる」になりますから。