NHKラジオ「まいにちイタリア語(応用編)」

「ローマを巡ろう!」

Passeggiando per Roma 第23課

(Walking around Rome)

 

※イタリア語を勉強する時、英語というフィルターに通すと理解が深まる気がしています。英語の勉強にもなりますしね。どちらの言語もまだまだ未熟なので、誤りなどのご指摘大歓迎です!

 

亜希子先生:

この課では、半過去の使い方を復習しながら、近過去と半過去の違いを学びましょう。

 

サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会。ナヴォーナ広場を後にしたゆりとブルーノが次にやって来たこの教会は、観光地としてはあまり知られていないのですが、実はここ、私のお気に入りの教会なんですよ。ご紹介したいことが山ほどあるのですが...

 

マッテオ先生:

Eccola, eccola, ci risiamo. Guarda che è Bruno quello che ci fa da guida, eh?

(******.  Look, Bruno is the one leading us, huh?)

 

※下線部の意味が分かりません。亜希子先生との流れから「ほらほら、始まった。」みたいなことなのではと想像するのですが...どなたか教えていただけると嬉しいです。

 

亜希子先生:

そうでした。案内してくれるのはブルーノでしたね。それでは。

 

マッテオ先生:

Ascoltiamo il dialogo.

(Let's listen to the dialogue.)

 

●今週のスキット 

La Basilica di Santa Maria sopra Minerva

(The Basilica of Santa Maria sopra Minerva)

サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会

 

B: Bruno    Y: Yuri

 

Y: Guarda! Ci sono tante mani. Che cosa indicano? 
B: Ogni mano indica l'altezza dell'acqua durante le inondazioni del Tevere.
Y: Ma l'acqua arrivava fino a qui? Abbiamo camminato tanto dal fiume.
B: Si, è abbastanza lontano, ma a volte le inondazioni erano molto forti e facevano grossi danni.
Y: Non lo sapevo. Ci sono tante informazioni interessanti sulle facciate delle chiese.

 

<英訳>

Y: Look! There are so many hands. What do they indicate? 
B: Each hand indicates the height of the water during the Tiber floods.
Y: But did the water reach up to here? We walked a long way from the river.
B: Yes, it's quite far, but sometimes the floods were very strong and did great damage.
Y: I didn't know that. There is a lot of interesting information about church facades.

 

●La frase chiave(The key phrase)

L'acqua arrivava fino a qui?

(Did the water reach up to here?)

 

●Impariamo 1(Let's learn 1)

亜希子先生:

半過去の使い方を復習しましょう。

半過去は過去のある時点で継続していた動作や状態を表す時に使う形です。例えば、

 

「昨日のこの時間、私はテレビを見ていました」

Ieri a quest'ora guardavo la TV.

(I was watching TV at this time yesterday.)

 

▼また、半過去は過去の状態を表すので、人や物の描写にも使われます。

 

「その机はあまりきれいではありませんでした。」

Quel tavolo non era molto pulito.

(That table wasn't very clean.)

 

▼さらに半過去は過去に繰り返し行った習慣的な動作を表す際にも使います。

 

「毎週末、私たちは映画館に行っていました。」

Ogni fine settimana andavamo al cinema.

(Every weekend we went to the movies.)

 

●Impariamo 2(Let's learn 2)

亜希子先生:

近過去と半過去の違いを確認しましょう。

どちらも過去のことを表す形ですが、

近過去が「~した」「~したことがある」と過去の行為や経験を表わすのに対して、

半過去は過去のある時点で継続した行為や状態、または繰り返し行った習慣的な行動を表します。

例文で確認して行きましょう。

 

Ho studiato per tre ore.

(I studied for three hours.)

 

Alle dieci e trenta studiavo ancora.

(At ten thirty I was still studying.)

 

亜希子先生:

近過去と半過去の違いは、
▼その動作が完了しているかどうかという点です。
▼近過去は過去の行為いつからいつまでという期間がはっきりしている事、既に完了したことを表します。
▼それに対して半過去はそれがいつまで続いたのか、完了したのかどうかは分かりません


L'acqua è arrivata fino a qui?(近過去)

「水はここまで来ましたか

 

L'acqua arrivava fino a qui?(半過去)

「水はここまでいましたか

 

この二つの文、日本語を見る限り、あまり違うようには見えませんが、

▼近過去の場合は「水はここまで来た」と過去において一度起きた経験を表しています。
▼それに対して半過去は過去において習慣的に行っていた行為を表す形でしたね。つまり、半過去を使うと、過去において何度も水はここまで来ていたということが表されるんです。

 

※この使い分けは私には無理叫び言えたとしても近過去を使ってしまうと思いますえーん

 

●I segreti di Roma(The secrets of Rome)

亜希子先生:

さて、今回ご紹介するローマ豆知識は?

 

マッテオ先生:

Il piccolo obelisco della Minerva

(The small obelisk of the Minerva)

「ミネルヴァの小さなオベリスク」

 

亜希子先生:

今回のスキットに登場するサンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会は、pantheonの近くにあります。テヴェレ川の水があんなに遠くまでやってきていたなんて、今からは想像もつかないですよね。テヴェレ川はローマ人の生活にとって、飲み水や船の通り道として重要だった反面、20世紀に現在の堤防が完成するまでは悩みの種でもあったんですよ。

 

マッテオ先生:

Le inondazioni quindi avvenivano anche in anni piuttosto recenti. Comunque uno degli elementi più interessanti di questa chiesa è senza dubbio l'obelisco della Minerva. Non trovi?

(The floods therefore took place even in rather recent years. However, one of the most interesting elements of this church is undoubtedly the Obelisk of Minerva. Do not you think?)

 

亜希子先生:

確かに。洪水の話も興味深いですけど、ここの一番の見どころは、なんといっても教会前の広場にあるミネルヴァのオベリスクですね。ほかのオベリスクに比べて小さいのですが、その特徴はなんとオベリスクがelefante、動物の象の上にのっているということ。しかもこの象はあのナヴォーナ広場の四大河の噴水を造ったベルニーニによるものなんです。

 

マッテオ先生:

Chissà come avrà mai avuto l'idea il Bellini di poggiare un obelisco su un elefante.

(I wonder how Bellini ever got the idea to place an obelisk on an elephant.)

 

亜希子先生:オベリスクが象の上に乗ってるなんてインパクトありますよね。ちなみにこれはオベリスクというエジプトの知恵の結晶を世界最強の動物と考えられていた象が支えることで、現実な知識を持つためには強い精神が必要である、ということを表しているんですよ。

 

マッテオ先生:

Certo, però questo elefante, essendo piccolo e tondo, più che forte direi che è grazioso.

(Of course, however, this elephant, being small and round, rather than strong I would say it is graceful.)

 

亜希子先生:

そうなんですよね~。このなんとも可愛らしい象のオベリスク、ローマ人に長らく愛されてきたのもうなずけますよね。

 

●Proviamo.(Let's try.)

①La camera dell'albergo non era molto grande.

(The hotel room was not very large.)

 

②Ogni domenica andavamo dai nonni.[半過去(反復)]
(Every Sunday we went to the grandparents.)

 

③Domenica scorsa siamo andati dai nonni.[近過去]

(Last Sunday we went to the grandparents.)

 

亜希子先生:

今回は半過去の使い方、さらに近過去の使い分け方を学びました。それではまた次回!

 

亜希子先生:

マッテオ先生:

Ciao ciao!

 

【サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会前のオベリスク】

(ウィキペディアより)

※今回のスキットに出てきたサンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会の洪水の跡って検索しても出てこないんですよね。相当なトリビアってこと?どなたか見つけたら教えてください。

 

【追記2023年12月30日】

洪水の痕跡を示す「手」はこちらのサイトで確認できます。コメント欄でYumiさんに教えていただきました。