奇跡のコラボ(その4) 「ラジオ英会話」「ニュースで学ぶ現代英語」

 

▼2023年1月18日(木)放送の「ラジオ英会話」のダイアログはこうでした。

 

Megan: Akira, you look like a totally different person now.

Akira: Really? How so?

Megan: You’re always smiling. You’ve been on cloud nine ever since you got back.

Akira: Yes, I’m so happy to be back on Earth.

Megan: I know the feeling. Look at this blue sky.

Akira: I’ll never take a blue sky for granted again. Humans don’t realize how lucky they are.

Megan: That’s right. We need to take better care of our planet.

Akira: Exactly. This is the only home we’ve got.

 

ここで、思い出したのが、

NHKラジオ『ニュースで学ぶ「現代英語」』2023年12月15日の放送

 

★「地球」はEarth?それともthe Earth?
 

以下引用
「地球」を表す単語はearthですが、今回のニュースでは、冠詞のtheが付いたthe Earthと、theが付かないEarthの両方が使われています。この2つは、大文字のEarthを使っていますが、もう1つ、頭の文字が小文字のthe earthという表記もあります。

3つとも正しい表現ですが、それぞれニュアンスが異なります。どのようなニュアンスになるのか考えてみましょう。

シンプルに言うと、
eを小文字にしたthe earthは古くからの伝統的な表現です。
the Earthは、私たちが住んでいる星という主観的な「地球」です。
theを付けないEarthは、1つの天体としての客観的な「地球」です。

では、詳しく考えてみましょう。
まず、eが小文字のthe earthですが、earthはもともと「土、(地面の)地」という意味なので、「この大地」というのが文字どおりの意味です。地上から見渡した時の「(私たちの周りに広がる)この大地」というニュアンスです。

19世紀後半から、eを大文字にしてthe Earthと書く人が増え始めました。人類が気球や飛行機を発明し、空から丸い地平線を眺めるようになって、私たちが住む「この大地」は1つしかないということでtheが付いて、固有名詞であるという気持ちから大文字で書くようになったのかもしれません。

宇宙開発が始まると、人類がこの星を見る視点はさらに上昇して、宇宙から地球を眺める映像も見ることができるようになりました。すると、Mars「火星」、Mercury「水星」、Jupiter「木星」などと並ぶ1つの惑星として客観的に「地球」を見る機会が増えました。この惑星だけの名前(固有名詞)ということで、Eは大文字になります。
そして、ほかの惑星の名前にtheが付かないのと同じように、theは付けません。人の名前にtheを付けないのと同じ感覚ですね。宇宙関係や天文学では、theを付けないEarthが標準的な言い方です。

今回のニュースの最初の文でthe Earthと言っているのは、「私たちが住むこの地球」という意味で、親しみを込めたニュアンスで使っているのではないかと思います。the Earth where we live、the planet Earth、save the Earthなどのthe Earthがこれですね。
ニュースの7文目では、theが付かないEarthが使われています。宇宙線という専門用語を説明する文の中で使われているので、地球を1つの天体として客観的に見ているのかもしれません。

では、ここでクイズです。将来、人類がついに宇宙人と出会ったとして、自分は「地球から来た」と英語で自己紹介するとしたら、どう言えば良いでしょうか?

We are from the Earth.「私たちはその『アース』から来ました」と言うと、「どのアースですか?」と聞き返されるかもしれません。theは自分も相手も知っているものを「その、あの」などと指すのが普通の用法だからです。
ですから、We are from Earth.「私たちは『アース』(という天体)から来ました」と自己紹介するのが適切だろうと思います。
theなしのEarthこそが、この星の名前です。宇宙関連のニュースでは、地球をEarthと呼ぶことが増えています。人類が宇宙に進出した暁には、これが標準となるかもしれません。

以上をまとめると、以下のようなニュアンスになります。
(1)the earth =「(私たちの周りに広がる)この大地」。地上から見渡したときの「地球」であり、“the earth”と言った人の目に見えているのは、広がる大地。
(2)the Earth =「(私たちが住む)このアース(という星)」。飛行機から見下ろしたときの「地球」、私たちの大切な家というイメージ。
(3)Earth =「アース(と呼ばれる太陽系第3惑星)」。はるか宇宙から見たときの「地球」。天文学的視点で、他の天体と対等に扱うときはこう呼ぶ。文脈によっては、theを付ける必要がないほど「唯一の地球」という強調のニュアンスで使われることもある。

これら3つは全て「地球」と訳され、どれも正しいです。無意識に使い分けされることも多いようですが、このようなニュアンスを知っておくと、より理解が深まりますよ。

(引用終わり)

 

いかがでしたか?

以前から気になっていたことなので、詳しく説明してもらいスッキリしました。

この説明を踏まえて「ラジオ英会話」のダイアログを読み返すとなるほどと思えてきます。

 

UnsplashNASAが撮影した写真

 

私、以前こんな記事書いてました。よろしかったらお立ち寄りを。