NHKラジオ「まいにちイタリア語(応用編)」

「過去のお悩み相談室」Passato prossimo o imperfetto? 第21回

 

※イタリア語を勉強する時、英語というフィルターに通すと理解が深まる気がしています。英語の勉強にもなりますしね。どちらの言語もまだまだ未熟なので、誤りなどのご指摘大歓迎です!

 

●今日のお悩み(ホノカさん)

お悩み対処法を使えば、近過去か半過去か選べるようになってきたんですけど、まだ凄く時間がかかります。特に半過去は、この文は半過去だと自信を持って選べませんどうしたらいいでしょう?

 

佳尉先生:

半過去は使う場面が幅広いですから、使えるようになるにはたくさんのフレーズを地道にコツコツ覚える必要があります。

 

クリスチアーノ先生:

Sì, ci vuole tempo.

(Yes, it takes time.)

 

佳尉先生:

そこで今回は、半過去を重点的に練習する方法を教えてもらいましょう。

 

●今日の会話

 

Kai:
Mi racconti di quando avevi vent'anni?
(Can you tell me about when you were twenty?)

 

Cristiano:
Quando avevo vent'anni abitavo a Torino.

(When I was twenty I lived in Turin.)

 

●La frase chiave(Key phrase)

Quando avevo vent'anni abitavo a Torino.

(When I was twenty, I lived in Turin.)
 

●教えて、クリスチアーノ!

佳尉先生:

この文なら使うのは半過去だ、と迷わず選べるようになるには、どんな練習すればいいでしょう?

 

クリスチアーノ先生:

Io vi consiglierei di comporre tante frasi di descrizione con l'Imperfetto.

(I would advise you to compose many descriptive sentences with the imperfect.)

 

佳尉先生:

おすすめは、描写の半過去を使ってたくさん例文を作ること。皆さん、第9課で紹介した作り方は覚えてますか?

「私は20歳だったころ」のように、いつの描写なのか決めましょう。

 

それが決まったら、その時代にタイムスリップ。当時の視点から見て現在形で言えることを考えましょう。

 

クリスチアーノ先生:

Per esempio, nel mio caso, studio il giapponese all'università.

             現在形

→ Studiavo il giapponese all'università.
  半過去

(I studied Japanese at university.)
 

佳尉先生:

半過去には描写のほかに、「~している途中だった」と過去の反復・習慣という用法もありますよね。こちらはどうやって練習すればいいでしょう?

 

クリスチアーノ先生:

Non c'è bisogno. 

(There's no need.)

 

佳尉先生:

え⁉わざわざ練習しなくても大丈夫ってどういうことですか?

 

クリスチアーノ先生:

Perché anche gli altri due usi sono un tipo di descrizione.
(Because the other two uses are also a type of description.)

 

佳尉先生:

これまで紹介してきた半過去の3つの用法は、必ずしも区別できるわけではありません。それに実は、過去にタイムスリップして、現在形で言えることを半過去にするという作り方も、3つの用法全てに使えるものなんです。つまり、描写の半過去の文を作っているうちに、自然とほかの2つの用法も練習できるわけですね。

 

★今日のお告げ(今日のお悩み対処法)

Per imparare l'imperfetto cominciate descrivendo un periodo della vostra vita con l'imperfetto.

(To learn the imperfect, begin by describing a period of your life with the imperfect.)

「半過去の練習するなら「描写の半過去」でできるだけたくさんのフレーズを作るべし。」

 

★Un passo avanti.(A step forward.)

クリスチアーノ先生:

Allora questa volta, raccontaci tu di quando avevi vent'anni.

(So this time, tell us about when you were twenty.)

 

佳尉先生:

僕が20歳だった頃ですか?ぼくもね、クリスティアーノと同じで大学に通っていました。大学には電車で通ってたんですけど、一時間半もかかってました。

今の話なら、

 

Andavo all'università in treno.

(I went to university by train.)

 

Ci voleva un'ora e mezzo.

(It took an hour and a half.)

 

※「過去の描写」のこの2つの文、「過去の反復・習慣」と考えることもできる。

 

クリスチアーノ先生:

Poi, nella vita quotidiana ti viene in mente qualcosa?

(Then, in daily life, does anything come to mind?)

 

佳尉先生:

日常生活で覚えていることですか?う~ん、あっ!ちょっとしたことなんですけど、僕にとってはイタリアと繋がる話があります。当時は炭酸水ってあんまり売ってなかった気がします。

 

クリスチアーノ先生:

Adesso si può comprare dappertutto.

(Now you can buy it everywhere.)

 

佳尉先生:

今ではどこでも買えますよね。

 

Non vendevanno l'acqua gassata.

(They didn't sell carbonated water.)

 

佳尉先生:

なぜこの話がイタリアとつながるかというと、僕、炭酸水を初めて飲んだのシチリアなんですよ。ふらっと入ったバールでUn bicchiere d'acqua, per favore.(A glass of water, please.)と頼んだら、出てきたのが炭酸水だったんです。

 

クリスチアーノ先生:

Ti è piaciuta?(Did you like it?)

 

佳尉先生:

とんでもない。一口飲んで「なんじゃこりゃっ」てなりました。今は大好きですけど、当時は本当にびっくりしました。

 

 

佳尉先生:

過去の視点から眺めた時、内容的に未来のことを表している文は「描写の半過去」にはなりません。「私は炭酸水をシチリアで初めて飲んだ。」は描写ではなく経験の話なので、近過去を使って

 

Ho bevuto l'acqua gassata per la prima volta in Sicilia.

(I drank carbonated water for the first time in Sicily.)

 

佳尉先生:

ところで、クリスチアーノは大学で日本語を勉強し始めたんですよね。

 

クリスチアーノ先生:

Sì. La lingua giapponese mi è piaciuta molto fin da subito.

(Yes. Yes. I really liked the Japanese language right away.)

 

佳尉先生:

「すぐに日本語が大好きになった」なんて聞いちゃうと嬉しくなっちゃいますね。

でもひらがなとか覚えるの大変じゃなかったですか?

 

クリスチアーノ先生:

Per imparare tutto hiragana ci ho messo un mese, credo.

(It took me a month to learn all hiragana, I think.)

 

佳尉先生:

え?1か月で覚えたんですか⁉どうやって?

 

クリスチアーノ先生:

Ogni giorno facevo esercizio copiando e ricopiando ***.

※***の部分が何度聞いても(エバリカーナって聞こえる)分からないんですよね…どなたか教えてもらえると嬉しいです。

(Every day I practiced copying and recopying *****.)

 

佳尉先生:

書く練習を地道に、毎日つづけたんですね。やっぱり言葉は楽しみながらコツコツやるのが大事ですよね。

 

クリスチアーノ先生:

Sì, senza dubbio.

(Yes, without a doubt.)

 

★Addio all'incertezza.(Farewell to uncertainty.)

①学生時代、私は喫茶店で働いていた。

②店は中野にあった。

③バイト仲間も大学生だった。

④この喫茶店で1年間働いた。

 

①Da studente/studentessa lavoravo in un bar.
(When I was a student I worked in a bar.)

 

②Il bar si trovava a Nakano.

(The bar was located in Nakano.)

 

③Anche i miei colleghi erano studenti universitari.

(My colleagues were also college students.)

 

④Ho lavorato per un anno in questo bar.

(I worked in this bar for a year.)

 

UnsplashIkhsan Sugiartoが撮影した写真

 

※佳尉先生の炭酸水の話どうでしたか?お若い方にはあまりピンとこないですかね?

 

そもそも、30年ほど前の日本では「水」は買うものではなかったと思います。というか、ほとんど売ってなかったと思います。

 

そのころ、ハワイを旅行した私は、「お水を買わなきゃいけないの⁉」ってびっくりしてペットボトルのエビアンを買った覚えがあります。

 

その数年後、ヨーロッパを旅行した時も同じで、ヴィッテル買ってましたね。値段も他のアルコールと大差なく、二重にびっくりしました。だったらビールやワイン飲もうかって気になりますよね。

 

15年程前にイタリアを旅行した時は、水を買う時には炭酸か炭酸でないかは必ず伝えていました。

 

そして今の日本では、水を買うのが当たり前になりましたね。

そうそう、水道の水(日本の)、安全とはいえ、場所によって全然味が違いますよね。私の街は結構おいしいニコニコ