きっと皆様忘れているかと思いますが、「出荷」にて不定期連載をしておりましたが長らく間を空けておりました。


楽しみにしていた方が居るとは思いませんが申し訳ございませんでした。


久しぶりに更新しようと思いますがその前に、過去公開分を再掲載します。

(過去2回分となりますのでそこそこ長いかもです。興味の無い方はここらで見るのを止めると時間の節約になります)




「星を見上げるもの」(仮)


エピローグ Bパート


二つの人影が蠢く。
星の見える丘で、この世には自分と星しか存在しないと勘違いしそうな開けた丘の中央で、

男は泣いていた。

女は笑って男に言った。


「私を殺してくれてありがとう」


男は泣いていた。

女は笑っていた。




プロローグという名の問題提議



古風な日本家屋の中で子供達はおばあちゃん(近所の世話係の様な存在)の話を聞いていた。

聞いていただけで理解はしていないが。

少なくともこの時点では。

「もしもね、もしも大事な人が居なくなるとしたら、ゆうちゃんとあいちゃんはどう思う?」

二人は声を合わせて
「いやー!」
と首を左右にぶるぶる振った。

「そうだよね、でもね、もし大事な人が居なくならないと、ゆうちゃんとあいちゃんの家族や友達が居なくなるとしたらどう思う?」

二人は顔を見合わせ
「うーん、わかんなーい」
と首を左右にぶるぶる振った。


「そうだよね、分からないよね、私も分からないわ、今でもね」
「おばあちゃん、いやなことでもされたの?」
「おばあちゃんをいじめるやつは、ぼくがやっつけてあげるよ!」


「そうじゃないの、そうじゃないのよ」
老婆は首を左右に振り言った。


二人は顔を傾け
「じゃあ、なんでそんなにつらそうなの?」
と老婆の顔を見てそう思った。



「私はつらくないの、本当につらいのは…」



夜空を見上げ老婆は呟く。
子供達には聞こえなかったようだ。

老婆は顔を上げたまま言った。



「今幸せ?」



二人は即答した。
「うん!」
と首を縦に大きく振った。



星のきれいな夜空を見上げ


子供達は笑っていた。


女は泣いていた。





次回出荷に第3(?)回を掲載します。


4ヶ月お待ち頂いた方本当にすいませんでした。