ある物を追い求めている土岐です。



ある物。

それはあの神の水を何百倍にも

何千倍にも美味しくさせる魔法の器。

神の水とは

まさに神と呼ぶにふさわしく

黄金色に輝き

かつ

白いふんわりとした優しさまで備わっている

そう。

神の水。

別名

ビール様である。

そして神水を入れる器といえば…

そう。

ジョッキである。



あいつが欲しい。

どうしても欲しい。

あいつがあれば神水が

何百倍にも光輝き

何千倍にも美味くなる。





少し前の話になるが

とある舞台の搬入・搬出に行った時のことである。

搬出では自分達が大変大変お世話になっている

菅野さんと

前から噂に聞いていたのだが会ったことはなく

今回初めてこの仕事で知り合うことができた

立川さんとご一緒することになった。

そこで仕事後に菅野さんから

「終わったら飲みにいく?」

というお誘いをいただいた。

自分は扁桃腺のこともあったので行かないつもりであった。

齋藤はTSUTAYAでレンタルしたDVDがその日のうちに返さないと、延滞かかるという理由で断っていた。



…ん?

まてまて。

TSUTAYAは0時で閉まるんだよな。

でも札幌大通り周辺で仕事で

終わった時間が23時45分。



間に合わないだろ。

どう頑張っても瞬間移動かどこでもドアがなければ不可能だ。

しかし彼は大真面目で言った。

結局はお互いに一度は帰ろうと思ったのだが…

「本当にいいの?居酒屋がよんでるよ?」

その菅野さんの一言にあっさり撃沈する自分達。

扁桃腺はもう治ったと思い込む自分と

あくまでも不可能なDVD返却をしようとしていた超人齋藤。

彼らはあっさりと誘惑に負けてしまう。

というか菅野さんと飲めるなんてことはいつでも可能なわけではない。

そんな幸せを逃してたまるかという思いが強かったのだが…

立川さんは帰るという信念を貫いた。


大人だ。

いや男だ。

いやいや漢だ。

その立川さんに

「意志弱ッ」

と笑いながら言われたのだが実際弱い二人は無駄にニヤニヤするしかなかった。



結局菅野さんと齋藤と三人で飲みに行くことになったのだが…

そこで飲んだジョッキに入った

黄金神水。

こいつがヤバイくらい美味かった。

「いくら私が神の水だからって遠慮することはないのよ。
だって今はジョッキに入っているのだから。
さぁ、遠慮せずに飲み干して。
それにあなた仕事中あまり水分とっていないでしょ?」

そんな声をくださった黄金神水はそれはそれは格別。

更に菅野さんの笑顔で黄金神水は五割アップ。

齋藤のヒゲもっさパワーで二割ダウン。

そんな黄金神水は格別の美味さを誇っていた。



そうして自分はジョッキを求めるようになった。

家では酒はたまにしか飲まない。



飲む時は必ずグラスで飲む。

そんなどうでもいいポリシーを持っているのだが

最近はどうもグラスでは物足りない。

静かに上品にしっとりと飲みたい時はグラスだ。



最近はグワッと豪快に煽りたい。

そんな思いがあってジョッキを求めるようになったのだ。

しかしこいつがどこに行っても見当たらない。

ダイソーやホーマック等を見に行ったのだが小さいジョッキしかない。

小さいジョッキなどジョッキではない。

やはり偉大なまでのオーラを放つあのジョッキがほしい。

もしこれを見た方で

ジョッキのある場所しってるよ。

という方がいらっしゃれば是非情報をお願いします。

これからも自分は見つかるまでジョッキを求め続けるだろう。

あーどこにいらっしゃるのですかジョッキ様…



ほいじゃ。