太郎ははっと我に返り、車にキューブレーキをかけました。


その後も険悪なムードとなり、太郎が怖くなってきました。

太郎は以前から、私が飲み会に行くと言うと、嫉妬し、怒りました。
会議が長引いて、デートができなくなってま、ものすごく怒りました。

太郎は平日もいつも暇なのがいけないんです。
私は仕事が忙しく、暇な太郎に付き合ってばかりはいられないんです。


太郎との別れがちらつき始めました。
「もしもし」

太郎の助手席で、携帯を手にしました。

熊谷さんからと、すぐに分かりました。

出るのはまずいと思いましたが、変に隠す方がよくないと思ったんです。


「デート中?」

「はい」

「セックスしたのか」

「いいえ」

「すみません、今外出先なので、切ります。」

熊谷さんの声が太郎に聞こえてしまいそうだったので、電話を切りました。

「誰?」

「会社の人

「なんで休みの日に電話してくるわけ?」

「…」

「なんなんだよ!」

さっきの会話が、太郎にも聞こえていたのか、太郎はものすごく怒りました。

太郎は、ハンドルに頭を何度もたたき付け、泣き出しました。

「ごめん…」

太郎は思い切りアクセルを踏み、100キロ近いスピードで坂を下り始めました。
私はそのまま、死ぬんじゃないかと覚悟しました。
大人で、職にきちんと就いている、熊谷さんや木村さんと比べ、太郎は小さく見え、次第に太郎への気持ちは薄れてきました。


でも、熊谷さんや木村さんと結婚することはできない。

結婚相手として、太郎をキープしているような感じでした。


ある日、太郎とのデート中、熊谷さんから電話がありました。