「勉強=机の上」ではない時代
昔は「勉強=机に向かうこと」でしたよね。
でも今は違います。
PISA(国際学習到達度調査)が示すように、これからの時代は「実生活で問題を発見し、自分で解決する力」が求められています。
子どもがただ知識を覚えるだけでなく、それを「使って考える力」を育てることが大切。
さて、どうやって伸ばしていけるか一緒に考えてみましょう・・・!
子どもの理解を深める“リアル体験”の力
子どもは、経験から最も深く学びます。
たとえば、算数の「割合」を学ぶよりも、実際にスーパーでセール表示を見て「30%OFFっていくら安いの?」と考えるほうが理解が早い。
英語でも同じです。「apple=りんご」と覚えるよりも、実際に“Can I have an apple?”と言ってリンゴをもらう体験の方が、心に残ります
PISAとはどんな国際調査?
PISAとはOECDが3年ごとに行う国際学力調査。
15歳を対象に
「読解力」
「数学的リテラシー」
「科学的リテラシー」を測ります。
単なる暗記ではなく、“実生活の中でどう知識を使うか”を問う点が特徴だとされています
https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/index.html#PISA2022
(こちらから結果を閲覧できます)
小学生向けだと、こんな問題!!
生活の中の数学:交通ルートの最短経路を選ぼう!
【場面設定】
あなたは、友だちのゆいちゃんの家に行こうとしています。
おうちからゆいちゃんの家までは、3つの行き方があります。
【ルート①】
🏃♀️ 歩いていくルート
→ まっすぐ歩いて 20分
【ルート②】
🚲 自転車で行くルート
→ 自転車で 10分
→ 途中に 信号 が 2つ(1つにつき2分待つ)
【ルート③】
🚌 バスで行くルート
→ バス停まで歩いて 5分
→ バスに乗って 8分
→ バスを降りてから 3分歩く
【質問①】
どのルートがいちばん早く着きますか?
(※信号の待ち時間も入れて考えてね)
【質問②】
もし「できるだけお金を使いたくない」場合、どのルートを選びますか?
(ヒント:バス代は200円)
【発展質問(考える力アップ)】
・雨がふったら、どのルートにする? その理由は?
・もし信号が全部青だったら、時間はどう変わる?
単に計算できるだけでなく、「どんな情報が必要か」「何を無視できるか」を自分で判断する力が必要ですよね・・・
つまり、数学=思考の道具。これは英語にも同じことがいえます
英語教育にも共通する「実生活で使う力」
教科書暗記だけでは足りない理由
文法や単語を覚えるだけでは、いざ話そうとしたときに言葉が出てきません。
英語を「テストのため」ではなく「自分のため」に使う経験が必要です。
「使える英語力」はどこで育つのか
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家庭でのちょっとした英会話
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友達との英語ゲーム
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海外動画や歌をまねる
こうした体験の積み重ねこそが、使える英語力を育てます。
💡英語×生活の思考力レッスン:
「どのルートで行こう?」
既に英語の文がある程度読めるお子さま向け)
先ほどの算数の問題をかんたんな英語にして、親子で一緒に読みながら、紙に絵を描きながら考えてみましょう
会話例のところは役になりきってジェスチャー付きで会話してみましょう。
🧭 【設定】
お母さんと子どもが公園に行くことになりました。
でも、行き方は3つ。どれで行くのがいいかな?
会話もぜんぶ英語でやってみよう!
🚶♀️ Route A: On foot
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Walk 20 minutes
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No money needed
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You can see many flowers 🌸
🚲 Route B: By bike
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Ride for 10 minutes
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2 traffic lights (wait 2 minutes each)
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A little bit tired 😅
🚌 Route C: By bus
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Walk 5 minutes to the bus stop
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Bus ride 8 minutes
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Walk 3 minutes
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Bus fare: 200 yen 💴
🧭 Question 1
Which way is the fastest?
(Think about the red lights too.)
👉 どのルートがいちばん早く着くかな?
(信号で待つ時間も入れて考えてね)
💴 Question 2
If you don’t want to spend money, which way will you choose?
👉 お金をできるだけ使いたくないなら、どのルートにする?
🌧 Thinking Question 1
If it rains, which way will you go? Why?
👉 雨がふったら、どのルートにする? 理由も言ってみよう。
(例)
“I will go by bus, because I don’t want to get wet.”
(ぬれたくないから、バスで行く!)
🚥 Thinking Question 2
If all the lights are green, how will the time change?
👉 信号が全部青だったら、時間はどう変わるかな?
(例)
“It will be faster!”
(もっと早くなる!)
💬 お母さんと子どもの会話例
Mom: Hmm… How shall we go to the park today?
Child: Let’s go by bike! It’s fast!
Mom: But it’s raining. Is that OK?
Child: Oh… then maybe by bus.
Mom: The bus costs 200 yen. Is that OK?
Child: I see… then maybe walking is better!
おうちで育てる「考える力」
答えよりも「どう考えたか」を聞こう
子どもが間違えても、「どうしてそう思ったの?」と聞くことが大切です。
プロセスを話すことで、理解が深まります。
間違いは成長のチャンス
失敗を恐れず挑戦できる子は、学びを自分のものにします。
間違えた数だけ、学びの幅も広がります。
なので、間違えても、親子で楽しい時間が5分でも作れたらOK!くらいの気持ちで!!
学校英語から「生活英語」へ
お子さまが小学生までは、“文法の正しさ”より“伝わる体験”を重視しましょう。
英語が楽しい、といういいイメージを持たせてあげましょう
「英語=テスト」ではなく「英語=道具」
英語は試験科目ではなく、人生を広げるツール。
よくある質問(FAQ)
Q1. 英語が苦手な親でも一緒に学べる?
→ はい!親が「わからないね」と一緒に調べる姿勢が、最高の学びモデルになります。
Q2. 子どもが英語を嫌がるときの対応は?
→ 無理に勉強させず、「遊び×英語」に変えて楽しい経験から再スタートしましょう。
Q3. PISA的な学びを家庭に取り入れるコツは?
→ “Why?” “How?” を問いかけること。考える習慣を。