此の刃渡り4㎝程の肥後守形式ナイフの毛抜き型に似るランセット(メス)は既に現在のメスの刃の形状を有して居るが、前述のランセット同列に鼈甲製(べっこうせい)の毛抜き型柄の鞘に収納去れる。
刃及び柄の接合は3ヵ所の銀のビスで成されて居て、繊細な造りで有る。
刃起こしの尾は平べったい造りと成って居て、伸ばした場合には完全に鼈甲製鞘に収納去れる。
代わって刃元は少し厚目と成って居て、持ち安く此の部分を持って切開作業をこなした物と思われる。
因みに鼈甲(べつこう)と言う素材を使用したのは有る種の高級感及び特権意識の現れでは無いだろうかと思われる。
又、日本の鼈甲技術の積層高温圧着技術を使わず単層の鼈甲素材を使用している事から西洋製の鼈甲と思われる。
又、メスの柄の素材的には象牙等は吸湿製が強い為に血液等の吸着が有るので使われ無かったと思われる。
2018年12月13日
ー続くー
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