尾川永次のブログ -303ページ目

尾川永次のブログ

小説、ポエム、旅日記などなど徒然なるままに行きたいと思っています

            スコットタント 10

メイルは半眼で口をへの字に曲げ鼻から強く息を吐くとスコットタントに顔を向けた。
「タント、全速力で走ってね」
「何で?」
「お邪魔虫がいるから!」
その二人の足元でチキとタキがぼそぼそ話し会っていた。
「どうやら逃亡を企てているようですな」
「まあ、日頃の行いに負い目を感じているんでしょうね」
「誰が負い目を感じてるって!」
むっとした顔で下に降りたメイルにつられてスコットタントが下を観た。
「チキ、タキなんでここに居るの?」
スコットタントの問いにチキが答えた。
「そこに道が有るからってやつですかね」
「チキそれは違うと思うな。若者よ書を棄てて旅に出よの方がいいと思うよ」
「さあ、未知なる大地をいざ行かん!」
「だから何でここに居るのよ!」
チキとタキの目の前に顔を近づけると憮然とした顔でメイルが言った。
「おや、これは奇遇ですなー。これからどちらへ?」
「何を今更。負い目がどうのこうの言っていたくせに」
チキがタキの耳元で囁いた。
「地獄耳ですな」
「負い目が有ると他人の事が気になるもんですよ」
「そんな事はどうでもいいの。それよりあんたたちが居たらタントと
 二人きりじゃ無くなっちゃうじゃない!」
「メイルちょっといいかな」
タントはメイルの首根っこを掴んでどけた。
「あ、そこはだめ・・」
メイルは首をつかまれると力が抜けてしまうのであった。
「それより、本当に大変な旅になるよ」
「覚悟の上ですんで、宜しければご一緒させて下さい。迷惑はかけませんから」
「そうそう」
「どうせタントの肩に乗るつもりなんでしょ。絶対にタントに迷惑掛けるって!」
力が回復したメイルが再び二人の前に立ちはだかった。

今でで一番笑ったやつです。
ご存知の方もおられると思いますがクリスマスねたなので
始めて知った方は是非楽しんで下さい。

「しか」と10回言ってもらいます。
で、10回言ってもらったところで
「サンタクロースが乗っているのは?」

















「トナカイ」と、言ってくれたら喜んで言って下さい。
「ソリ」だよーと。

       スコットタント 9

歩き出して二時間、森は遥か遠くになった。
辺りは多少の起伏はあるものの、何処までも続く平原をスコットタントは
もくもくと歩いていた。
「タントー、出してー」
壷の中からメイルが声を掛けた。
「周りに森は無いよ」
「大丈夫、壷の中は森に居るのと同じなんだ。元気になったよ」
「そうなんだ」
スコットタントは立ち止まるとしょっていたバックから壷を取り出して栓を抜いた。
すると元気になったメイルが出て来て肩に乗った。
「やっぱり外がいいな。タント、あそこの岩に登ってみようよ。見晴らし良くて
 気持ちいいよ、きっと」
少し先の小高い岩山をメイルは指差した。
「そうだね。この先に何が在るか見ておきたいしね」
二人は高さが二十メートルほどの小高い岩山を登った。
青い空にはぐれ雲がぽつんぽつんと浮かんでいる。
遥か遠くが見渡せる頂上に登ると平原を吹き抜ける風が頬に当った。
「景色もいいけど風が気持ちいい」
メイルが両手を広げ眼をつぶって気持良さそうに深呼吸するとスコットタントも
嬉しそうに遠くを見つめて頷いた。
「うん」
メイルはスコットタントを観た。
「タント風分かるの?」
「風を感じる機械が付いてるから吹いてる事は分かるんだけど風が
 気持ちいいかどうかは分からないんだ。それよりメイルの気持良さそうな
 顔が嬉しいんだ」
「へー、そうなんだ。メイルも嬉しいよ」
「何が?」
「同じ時に嬉しい気持になるってことが」
「そうだね」
その時、二人以外の声が聞こえて来た。
「気持いいだの、嬉しいだのと、
これから待ち受ける試練を前に御気楽な
 もんですなー」
「極楽トンボとはこの事を言うのだろうね」
それは聞き覚えのある声だった。