たんと 10 | 尾川永次のブログ

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小説、ポエム、旅日記などなど徒然なるままに行きたいと思っています

            スコットタント 10

メイルは半眼で口をへの字に曲げ鼻から強く息を吐くとスコットタントに顔を向けた。
「タント、全速力で走ってね」
「何で?」
「お邪魔虫がいるから!」
その二人の足元でチキとタキがぼそぼそ話し会っていた。
「どうやら逃亡を企てているようですな」
「まあ、日頃の行いに負い目を感じているんでしょうね」
「誰が負い目を感じてるって!」
むっとした顔で下に降りたメイルにつられてスコットタントが下を観た。
「チキ、タキなんでここに居るの?」
スコットタントの問いにチキが答えた。
「そこに道が有るからってやつですかね」
「チキそれは違うと思うな。若者よ書を棄てて旅に出よの方がいいと思うよ」
「さあ、未知なる大地をいざ行かん!」
「だから何でここに居るのよ!」
チキとタキの目の前に顔を近づけると憮然とした顔でメイルが言った。
「おや、これは奇遇ですなー。これからどちらへ?」
「何を今更。負い目がどうのこうの言っていたくせに」
チキがタキの耳元で囁いた。
「地獄耳ですな」
「負い目が有ると他人の事が気になるもんですよ」
「そんな事はどうでもいいの。それよりあんたたちが居たらタントと
 二人きりじゃ無くなっちゃうじゃない!」
「メイルちょっといいかな」
タントはメイルの首根っこを掴んでどけた。
「あ、そこはだめ・・」
メイルは首をつかまれると力が抜けてしまうのであった。
「それより、本当に大変な旅になるよ」
「覚悟の上ですんで、宜しければご一緒させて下さい。迷惑はかけませんから」
「そうそう」
「どうせタントの肩に乗るつもりなんでしょ。絶対にタントに迷惑掛けるって!」
力が回復したメイルが再び二人の前に立ちはだかった。