たんと 16 | 尾川永次のブログ

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小説、ポエム、旅日記などなど徒然なるままに行きたいと思っています

      スコットタント16

「あ、ハヤブサが!」
「きゃー!!」
タキが慌ててガジュマルの木の影に身を隠すと眼を皿の様にしてハヤブサを探した。
その横ではチキがあくびをしながら背伸びをしている。
「チキ、隠れないとハヤブサに狙われるぞ!」
「どこに?」
「え?」
タキは青空をくまなく探したが何も見つけられなかった。
「タント、ハヤブサなんて何処にも・・」
チキがタントを観るとそこにはうれしそうにタントの顔に頬擦りしてハートマークを
撒き散らしているメイルがいた。
それを見たタキは不思議そうな顔でチキに聞いた。
「メイルどうかしたの?」
するとチキは無表情に言った。
「いいんだよタキは知らなくて」
「ふーん。ま、いいや。とにかく始めようよ」
「タキ、袋から木になる実を選んで出してくれ。出し惜しみするなよ」
チキの言葉に不満そうな顔をしたタキだったがぶつぶつ言いながらも食料が
入っている袋の口を開け木の実の選定を始めた。

「お、お前達本当にやってくれるのか・・」
大きなガジュマルの木は閉じ込めようとしたスコットタント達の行動の驚いていた。
「大丈夫、また元の森に戻るよ」
スコットタントは辺りを見渡しながら言った。勿論森を再生するため地形を確認しているのだ。
「ありがとう」大きなガジュマルの木は嬉しさ一杯の顔で礼を言った。

するとメイルは木の枝に乗った。
「私が魔法を使うにはあなたの力が必要だから、力貸してね」
「も、勿論だ。精霊に力を与えるのは木の役目だからな」
「チキ、掘るのはここでいいかな」
木から百メートルほど離れたくぼ地の底に立ったスコットタントが木の枝に居る
チキに声を掛けた。
「そうですな。そこから水が出ればほぼ完璧でしょう」
「了解」
頷いたスコットタントは両手を手刀の形にしてじっと見つめた。
すると手首の部分から手が徐々に回転を始めた。
やがて唸りを上げながら高速回転になったところでスコットタンがその手を
地面に突き刺すと地面は激しく土埃をあげた。