スコットタント 13
その声にスコットタント達全員が振り向き、大きなガジュマルの木を見た。
「うわー、オークだ!」タキがその大きな目と口に思わず声にだしていた。
「そうでは無いようですね。オークなら歩けるはずですから」
チキが冷静に分析した横でメイルは大きな木から別の何かを感じていた。
「何だろう?沢山の心を感じるよ。沢山の命を感じるよ」
「どうやら森が在った頃の精霊達がこの木に宿り眼や口や腕のような根を持ったようですな」
チキの言葉に頷いたスコットタントは大きなガジュマルの木に向って言った。
「この根っこは貴方の仕業ですか?」
スコットタントに問い掛けに大きなガジュマルの木が答えた。
「そうだ」
「どうして僕たちをとうせんぼするのですか?」
「もう一人にはなりたくないからだ」
「でも僕たちはこれから旅に出なければならないんです」
「そうよ。これから果てしなく遠い所へ行くんだから邪魔しないでよ」
「ま、一人になってしまう気持ちは分からなくもないけどさ」
メイルは怒りながらタキは呆れ顔で言ったが大きな木は更に怒り満ちた声で叫んだ。
「お前達に何が分かる!絶対に行かせやしない」
辺りを囲っている根っこは更に高く伸びた。
「どうやら聞く耳は無さそうですね」
チキはスコットタントを見上げて言った。
するとメイルがスコットタントが通れそうな根の隙間を見つけた。
「タント、あそこから」
「チキ、タキこっちだ」
スコットタントの声と同時に全員が隙間に向って走り始めた。
だが後少しのところで新たな根が下からそそり出るとスコットタント達は完全に
逃げ場を失った。
「諦めるんだな。お前達はずっとここにいるんだ!」
メイルは今にも泣き出しそうな顔でスコットタントに言った。
「タントもう駄目だよ。チキとタキだけでも上から」
「我々だけでは隠れる場所のない平原では隼やフクロウに襲われたらひとたまりもないでしょう」
チキが目を閉じ力なく頭を振った横でタキが拳を握り締め悲痛な顔で呟いた。
「だめだ、チキと一緒に鳥に食べられるなんておいらには耐えられない・・」
そんなタキにメイルが訊いた。
「何で?」
「チキと排泄物で合体するなんて、想像しただけでも・・」
“ポコ!“
メイルがタキの頭をはたいて言った。
「今はそんな心配している場合じゃないでしょ!!」
するとタキは腕を組み地面に眼を落とすと神妙な顔で呟いた。
「ところでタントが排泄物を出すとしたら鉄製なのだろうか?」
と、言って眼を上げると眼の前に半眼で睨みつけているメイルがいた。
「あたいが今ここでタキを排泄物に変えてあげる」
「あははは。冗談だよ、冗談」
タキは目一杯の作り笑いで後ずさりした。