実は私の職場の賃金は上がってきていて、人手は増えてきています。
とはいえ、それ以上に稼働が高い(泊まる人が多い)ので、忙しい状態が続いています。ホテルによっては、連泊時には数日に一度だけ清掃する、なんてところもありますけれど、それはそういう事情によるものだと思われます(笑)
忙しいときに一番気をつけるべきなのは、漫然と作業してしまうことです。
漫然と作業していると、普段ならしないような、レベルの低い見落としやミスが続出します。
そして注意喚起ばかりが増え、仕事がしにくくなり、また別のミスが増える、という悪循環。
そうして、「ミスを出さないこと」が清掃の目的になってしまう。
客室清掃にとって本当に大切なのは、「お客様に快適に過ごして頂くこと」であるはずです。
お部屋に入った瞬間に、「わあ、きれい!」という印象を与えるのが、清掃の理想だと思います。
その理想を忘れてしまうと、清掃のクオリティは見る見る落ちてゆきます。
落ちてゆくキッカケは、ごく些細なことです。
例えば、本来タオルは完璧な三つ折りにしなければいけないのに、それを適当にし始める。
正直、それ自体はどのホテルでもよくあることです。問題にはなりません。(完璧に三つ折りされた客室のほうが、少ないでしょう)
けれど、それがエスカレートすると、信じられないことに、ついにはグラスの確認など、重要なところまで怠ってしまうことにもなりかねません。
ですから、私が教える方には、「人間ミスすることは必ずある。けれど、漫然と作業してはいけない」ということを常に伝えています。
例えば、たかがテーブルを拭くだけでも、汚れを取るという意味があるし、「汚れが無いかな」と思って拭かなければいけないのです。
当然、すべての作業について、同じことが言えます。
理想を忘れないこと、漫然と作業しないこと。
忙しいときこそ、基本を忘れないことが、大切だと思うのです。