多くのホテルには、エコ清掃というものがあります。私たちは「エコ(エコメイク)」と呼んでいます。
細かなところはホテルによって異なりますが、基本的には、シーツ等を交換せずに手直しするのです。
過度なクリーニングを減らして、水などの資源を守りましょう、というのが、エコメイクの趣旨だと思います(調べたわけではないので自信がありませんが……笑)。
それで、スタッフの中には、エコメイクの部屋にあたると、
「ベッドメイクしなくていい、ラッキー!」と思い込んで、すごく雑に手直しをする人もいます。
ですが、私は逆だと思うのです。
エコメイクも、立派な清掃です。そして、作られたベッドを直すのは、ベッドを一から作るよりも難しいのです。
エコだからと雑に済ませるなんて、とんでもない話です。
ゲストがエコメイクを希望して下さる理由はいろいろあるでしょうが(ホテルによっては、特典があったりとか)、
そのなかには、スタッフのことを思いやって、エコメイクでいいよ、と思って下さっている方もおられるかもしれません。
そういう方がおられることも想像すれば、
むしろ期待に応えたい、丁寧にしなければと思うべきだと思います。
それが、客室清掃として持つべき心だと思うのです。
ベッドのエコメイクは、仕事への態度がハッキリと現れる部分です。
適当にやろうと思えば適当にやれるし、一生懸命に直そうと思えば一生懸命にやれる。
クオリティの差が出やすいのです。
ですから私は、そういうところで手抜きをしない、「心あるアテンダント」を増やしたいのです(ルームアテンダント、ホテル用語で客室清掃スタッフのこと)。
清掃の向こうにお客様の存在を忘れないこと。
それを忘れたら、客室清掃として終わりです。