ファミ通クロスレビューを斬る!(3)~バイオハザード~ | 現代メディアよろず研究所

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さて、ここで『バイオハザード』の話をしたい。


『サイレントヒル』のクロレビにおいて、「バイオハザードが開拓した分野に飛び込んだ2匹目」と書かれていた。
さらに驚いたことに『メタルギアソリッド』では「某3Dアドベンチャーを参考にして」と書かれていた。


ひょっとして、ファミ通はカプコンが好きでコナミが嫌いなのか……?


以下はゲームの歴史について詳しくない人のために書く。



小生が『バイオハザード』を初めてやったのは友人の家でだった。

「ねえねえ、小ライスくん、〝バイオ”買ったのよ、“バイオ”。これがめっちゃ面白くてさー!やりにおいでよ!!」
と呼ばれてやりに行った。
「ビビるよ~」などとハードルを極限まで上げて電源を入れる谷口くん。
もっとも、小生が怖がりだと知ってのことだが。

実写ムービーオープニングが終わり、いざプレイ。

始まって30秒でファーストインパクト、1分でセカンドインパクト。


「えっと、ちょっと待って。マニュアル見せてくんない?……バイオハザード???」


怖さに驚く予定が、全く別の衝撃が走った。


「あのさ、これ、『アローン・イン・ザ・ダーク』やで?」


谷口くんはアローンを知らないようで説明してもポカーンな感じだったが、このバイオナニガシが出るはるか前に、DOS/V機用フルポリゴンホラーアドベンチャーの傑作『アローン・イザ・ダ・ダーク』が発売されており、小生はそのゲームにハマった1人だったのだ。


そのソックリ具合は、参考とかのレベルではない。いや、パクリの範疇すら逸脱しているかもしれない。


ドラクエの後に出た『桃太郎伝説』を皆はパクリと言ったが、それ以上なのだ。


具体的に言うと、男女2人から主人公を選択、静止画の3Dマップ、フォント、ステータス画面の構成、ラジコン式操作方法、フラフラ歩いてくるゾンビ、窓を割って襲ってくる犬、刃物や銃で戦う戦闘システム、ゲームの目的は洋館から脱出……何もかもが同じだった。

ただ、テーマをクトゥルー神話から(一般名詞としての)バイオハザードにすり替えただけの極めて悪質なパクリ。



「ストII、内容ほとんど同じなのにダッシュだのターボだの出せば出しただけ売れましたねーwwwwwwwww」
「あの手のゲーマーなんぞ頭弱いヤツばっかりやよってなwwwwwwwww」
「うはwwwwwwwwwwwアローンインザダークおもろすぎwwwwwwねえねえ、うちもこういうの出しちゃいましょうよwwww『魔界村の続編です』ってwwwwwwwwwうへwwww」
「お前悪いやっちゃなーーーーでもそれもアリかもしれんなwwwwwwなんせストIIで設けた金はあるから、ナンボでも豪華にはできるでえwwwwwwwwww」



という会話がなされたかどうかは知らないが、カプコンサイドとしては、バイオの土台はなんと『スウィートホーム』だというのだからビックリである。


そしてファミ通は、『サイレントヒル』を2匹目のドジョウ扱い、さらにあの世紀の大傑作『メタルギアソリッド』が「バイオを参考にしている」と言うのだ!!!!!


ゲームを仕事にしてるくせに、MSX版メタルギアを知らないのか!?


メタルギアの凄さというのは、基本システムが2D時代にほぼ完成されていたという点にあるのだ。

見下ろし型2Dアクションなのに、「双眼鏡で遠くを覗く」というようなことをやっていたのだ。

ポリゴンになったところで、操作がラジコン方式になったわけでもなければ、アローン式のもっちゃりアクションになったわけでもない。

2D時代からプレイ感覚が変わってないところにメタルギアの凄さがあるのだ。


具体的にどこをどう参考にしたというのか是非とも聞いてみたいものだ。


ただ金をかけて豪華に仕上がったゲームや売れそうなゲームは称賛し、パクリであってもそういう事実は無視、前衛的・挑戦的・独創的なものを過小評価する。
つまりはシロートなのだ。


結局は強者と消費者への迎合。

それがファミ通なのである。