手術、治療のことを色んな人が気に掛けてくれたが何と言っても一番、心配したのはよっしー、ミッチーの2人だろう。
なので、帰省出来る体力が戻った時はなるだけ早く2人に顔を見せなければと思っていた。
退院して1週間、何とか数時間の移動でも大丈夫だと思いホーチミンが運転する車で帰省。
同じ県内でありながら海で隔てられてることもあり実家へは2時間強、時間を要するので中々の道のりだ。


実家に着きアタシを見ると安心と心配が混ざったような表情の両親に軽快な軽口を叩くとようやく2人に笑みがこぼれた。
弟1号と暫く開腹術後談義に花を咲かせ、弟2号の居酒屋の予約時間になったので移動。


快復祝いの豪華な刺盛りに舌鼓

色々料理は出たが撮影放棄(笑)


談笑している所に弟2号の嫁さんのセシーが泣きそうな顔をしてアタシに話しかける

『姉さん、大丈夫?具合は良いの?』
セシーはアタシより一つ歳下の弟2号からすれば姉さん女房
国は違うがそこら辺の日本人の嫁の何倍も義理であっても両親を大切にしてくれる宝の嫁さんだ。

勿論、アタシにも『姉さん、姉さん』といつも気遣ってくれてアタシもセシーは義理以上に可愛い妹と思っている。


『大丈夫、大丈夫!良くなってるから心配は要らんよ』アタシが笑うと涙ぐみながら『弟2号が姉さんの手術の夜、酔っぱらって泣き出して大変だったのよ。今から姉さんに会いに行くんだって。』


弟2号は小さい頃、両親が共働きだったこともあり必然的にアタシが面倒を見る時間が長かった。
つまりアタシは弟2号の小さい母ちゃんみたいな存在だったのだろう。
いつもは寡黙で感情表現が苦手な2号だが家族に対する愛情が見た目より数倍深いことはアタシは知っているので、その様が容易に目に浮かんだ。


『今は病院は簡単に面会出来ないんだよって止めて止めて、、、。』とセシーは苦笑いした。


恥ずかしかったのか、ほとんどアタシたちの席には来ず帰る時にボソッと『体調は良いんか?』と背中越しに言うので『大丈夫やで。1日1日良くなってる。今日も美味しい料理を食べたから、また回復するわ』と言うと『そうか。、、、そうか。』と厨房の奥に引っ込んで行った。


50過ぎても弟は弟。姉は姉


元気になって維持しなきゃ、セシーに迷惑かけると思う夜だった。