私はNさんと地味に愛を育みながら

専門学校での学科は修学し8ヶ月に渡る研修を残すのみとなる。


研修に専念し資格を取るために

バイトは一時お休み。

完全な学生に戻る。

研修場所に近いところに

アパートを借り

生まれて初めて独り暮らし。

それまではバイトのお金で生活していたが

バイトも脱退したため

実家の両親が金銭面を援助。

とても有り難かった。

生活費と学費を仕送りから捻出していたため

結構カツカツな生活ではあったが

寮にいた時に比べれば

パラダイスな自由キラキラキラキラ


ホテル代がいらなくなり

食事も贅沢は出来ないが

Nさんが来るときは

頑張って作る。

Nさんも2週間に一度から毎週末にはアパートに通うようになる。

毎週、土曜日の夜、日曜日の朝、私が唯一贅沢で購入したセミダブルの布団に

2人で眠った。。。

ある日曜日の早朝、
僅かな友達以外は知らないアタシんちに

『ピンポーンベル

空耳?

『ピンポーン、ピンポーン』

NO空耳!

こんな朝っぱらから誰なのむかっ

ん?こんな朝っぱらに来る

『実父・父ちゃん』しかあり得ない!

実家は私の居住アパートからかなり遠いが

父の会社は
同じ市内。。。

父は役職をしており

自分タイムで会社に出社、出勤する。

可愛い娘のために

家具や電化製品、アパートの契約も含め

全て父がやっていたし、母の方向音痴で

アタシのアパートに来るのは不可能。

学生の身なため
当然、Nさんの存在は
実家にはシークレット。。
私は当時20代前半、Nさんは30過ぎ。

若い彼氏なら

若気の至りと父の説教も

緩くなるかもしれないが

相手は完全なる適齢期男性。

下手すると『うちの娘とどういうつもりでつきあっとるんだね?』と

威圧感マルッと詰問する可能性大だ。


今でもそうだがNさんは
ハキハキと自分の意見を
言うタイプじゃなく

父とのバトルは、バトル自体成立不可。


うなだれてアパートを後にするNさんの姿が

目に浮かぶ。

半裸なNさんを叩き起こし
『あのピンポンは父ちゃんよ!きっとアタシがきちんと生活出来てるかのチェックにきたんだわっ!』

寝ぼけてたNさん、ビックラこいて

『ヌァー!?』と奇声を発す。

『布団あげて!服、ちゃんと着て!!』

私も速攻で普段着に着替え
父を玄関で追い返そうと決意しリビングの扉を閉める。


『はい、はい。待って待って!』と緊張MAXで扉を開けた。