中高校の歴史の知識から、気功の歴史を勉強してみましょう。
中高校の世界史を勉強していれば、気功や太極拳の歴史を調べることはむずかしくありません。

気功の利用法の一つは、修行に必要な時間を短縮することです。
ともかく、修行に必要なのは、座禅ですから、座禅にかかる時間を短縮するために、古代に利用されていた気功を再利用することにはじまります。

宋の時代、少林寺の達磨に起源をもつ座禅が役に立たなくなってしまいます。これは、日本では道元も弟子に伝えていたことですから、仏教の世界では共通の危機として認識されていたことになります。気功は中観派の新しい道具として利用されることになります。

なにか問題が起こり始めました。
日本では、江戸時代に白隠がこの問題に直面しています。それを克服したのも気功でした。白隠自身、その経緯を記録に残しています。

仏教では、ちょうど、末法の時代に入ると予言されていたのが、中国では宋の時代にあたります。日本では、平安時代です。
末法思想は、中学で習ったはずです。
また、地蔵菩薩の時代に入るとも言われます。

地蔵菩薩は僧形の菩薩ですが、地獄で説法する菩薩です。じゃあ、人の世界は地獄になったというに等しいですね。そのとおりですけど。
ともかく、修行を妨害するもの(妨障といいます)が避けられない時代に突入したことはたしかです。

この時代に発達したのが、貨幣経済です。
これは、学校で習いましたよね。
学校で習ったことは、役に立ちます。

龍樹も高校で習っているはずです。
インド名・ナガールジュナを漢語音訳したものが、龍樹です。中論も、名前だけは高校で習っています。
つまり、中論が理解できなくなってしまったということでもあります。いまだに、学術でも、わからない、わからない、と言っているのがこの中論です。

気功で、さっさと理解してください。
それが、気功の利用法です。
ついでに、利用できていないことも、これで判別されます。
だから、日本の気功は論外です。
論外って、意味、わかりますか?
あんたのことやね。
気功に求めていることが、姑息。
姑息って、意味、わかりますよね?
念のため。



一方、禅宗が凋落する宋の時代に、新しい理論が儒教から提唱されます。これがまた時代に合ってました。
宋の時代の学問なので、宋学と呼ばれます。
また、その提唱者の名前から朱子学とも呼ばれます。
この宋学で完成されたのが、気功の理論です。
周程学説の太極図説と気一元論を発展させた理気学説です。
これも、中学の社会で習った朱子によって、完成されます。

学校の勉強、役に立ちますね。

少年、老いやすく、学、なりがたし。(朱子)

勉強は、しとくもんですね。
気功が成り立った時代状況がわからないから、誤解ばかりします。
ネットの情報より、学校の勉強のほうがずっと役に立つんです。

※ ※ ※

気功の先生には、かならず、気功の歴史をいっぱい質問して、しゃべらせてください。

そもそも、気功という言葉が使われるようになったのは、いつからですか?

この質問はいいですね。答えは、20世紀後半からです。中国で、気功の普及を図るため、説文解字という古代の辞書に掲載されてある言葉を選びましたが、古代から20世紀前半まで、この言葉は使われていません。
隨の時代、天台大師も使っていません。唐の時代、蘇東坡も使っていません。明の時代、いわゆる気功から影響を受けた大医学者・李時珍も使っていません。この三人も高校世界史の中国文化として、習いますね。
そもそも、説文解字をもっているか尋ねましょう。中国古典の勉強には、絶対に必要な辞書ですね。
説文解字も高校世界史、中国史の黄帝、舜兎のあとにすぐ登場します。
黄帝、舜兎って、いつの時代のなんのこと?なんて言ってたら、気功を理解するには一生かかてもムリです。黄帝内経は気功の必須テキストです。