形意拳を気功として実践することは、私の主宰する練功会を除くと、日本では、まったく扱われていませんが、中国の伝統的な気功の二大流派である道家武当派(武当山)と少林派(少林寺)では一般的です。


太極拳、形意拳、八卦掌は、中国の三大武術として知られていますが、禅宗の少林寺も形意拳の原理を採り入れることになりました。少林寺の鍛練に使われる四把捶も、形意四把から発展したものですね。

一方、道教で用いられるようになったのは、その内功の有用性によります。


太極拳を学んでられる方はご存じかもしれませんが、20世紀初頭の北京では、孫禄堂が形意拳を盛り込ん孫式太極拳にも仕上げました。孫禄堂と北京で中国武術の研究グループを持っていた馬礼堂も、自身の太極拳に形意拳を採り入れます。

ただ、馬礼堂自身は孫禄堂といっしょに形意拳を研究しながら、独自の発見を加えていたように、私は考えます。

私の練功会は馬礼堂養気功を基本にしているので、自然に形意拳を気功として利用することになります。



形意拳を気功として研究した重要な人物として、もう一人、四川の著名な研究者・李少波を挙げることができます。四川といえば峨眉拳がありますが、李少波は形意拳について綿密な研究成果を残しました。自身もその実践を通して、104歳という長寿を全うされました。