入静は、'にゅうちん'と読みます。
気功の最初の目標と考えて頂くといいですが、
死ぬまで維持していく状態です。
特殊な意識状態のことを示します。
この意識状態を忘れないことが、気功を継続する意味になります。
まず、座式。座った姿勢でこの意識状態を獲得していきますが、座式だけで入静をつくるわけではありません。
動功や立式、動いても立っても、気功はこの意識状態を醸成するためのトレーニングです。
太極拳をしても、この意識状態に入って行って頂きたいと思います。
この意識状態では、すべての知覚がほぼ消失します。なにも感じませんから、これ以上の静けさはありません。入静です。
知覚がありませんから、太極拳のように動いていると、木にぶつかることもあります。目は開いていても、見えません。
雑念も少なくなり、さらに深まると、全く念慮は消失します。禅では、定(じょう)と呼ばれます。
入静が随意にできるようになると、これだけで、ほぼ全身の調整もできます。
気功の成果を、座っているだけで再現できるようになります。
ここまで来れば、気功が身に付いたと言っていいでしょう。
あとは、座った姿勢で固まったからだを、ストレッチでほぐす程度でいいです。そのまま、寝てしまってもいいです。
有意練功 無意成功です。
※ 注意しておきますが、入静は、スピリチュアルだとか騒ぐような、特異能力ではありません。むしろ、そのような通俗的風潮とは対極にあります。
道家では入静、儒家では座忘、仏家では禅定です。修行の成果ですから、修行らしい修行もしないようなものと、同じに考えてはいけません。