「ドライブアウェイ・ドールズ」の映画レビューと興行収入予想

兄ジョエルと組んで「ノーカントリー」「ファーゴ」などを生み出したイーサン・コーエン監督・脚本・製作による初の劇映画単独監督作。

ガールフレンドと破局した自由奔放なジェイミー（マーガレット・クアリー）と、堅物で自分の殻を破れずにいる友人のマリアン（ジェラルディン・ヴィスワナサン）。

そんなふたりは日々の生活に行き詰まりを感じ、気分転換に車の配送（＝ドライブアウェイ）をしながらドライブ旅行へ出発する。

だが、運転中のアクシデントがきっかけで車のトランクから謎のスーツケースを発見。

一方、そのスーツケースを取り戻したいギャングたちは、ふたりを追って車を走らせるのだった。

ジェイミーとマリアンは、危険が迫る状況にも関わらずこのドライブ旅行をエンジョイしようと、目的地のフロリダ州タラハシーへと向かうのだが。。。

出演は、「マイ・ニューヨーク・ダイアリー」などのマーガレット・クアリー、『ブロークン・ハート・ギャラリー』などのジェラルディン・ヴィスワナサン、「ブックスマート　卒業前夜のパーティーデビュー」などのビーニー・フェルドスタイン、「カラーパープル（2023）」などのコールマン・ドミンゴ、「ワンダーウーマン 1984」などのペドロ・パスカル、「オッペンハイマー」などのマット・デイモンなど。

脚本・製作・編集は、「ソリタリー・マン」などのトリシア・クック。

音楽は、「イニシェリン島の精霊」などのカーター・バーウェル。

原題「Drive-Away Dolls」

映倫区分PG12

2023年作品

アメリカ映画

配給はパルコ=ユニバーサル映画

製作会社はWorking Title Films

上映時間85分

レズの2人のアメリカ縦断ドライブロードムービーです。

がはは。

面白いです。

なんだこれは。

気の抜けたおバカなコメディです。

お下劣度数もいい感じです。

「ノーカントリー」で、アカデミー賞を獲ったコーエンとは思えない作品。

作品賞クラスの品質を期待していると、思い切りズッコケます。

この下品さがなんかアメリカっぽくていいですね。

気楽に、めっちゃ楽しんで作ったという感じがします。

これが伝わってくるから、余計に笑ってしまう。

たまに入るサイケデリックな感じも狂った感があっていいですね。

レズビアン系の映画で、こんなに下品なコメディは今まであったか？

初めての体験だったような気がする。

それにマット・デイモンとペドロ・パスカルの扱いの悪さときたら。。。

これだけで笑えます。

特にマット・デイモンの使い方には笑ってしまった。

ただこの映画、もちろんこんな作品なので、万人受けするような映画ではありません。

このノリ、この下品さが合わないなら、全然面白くないと思います。

好きな人はめっちゃ好きだと思います。

観る人を選ぶ作品にはなっていますが、個人的にはこのノリ、大好きです。

上映時間も85分と短いので、サクッと下品におバカになれます。

■興行収入予想

現段階では上映館数42館と少ない。

6月7日（金）からの公開。

同日の公開作品は、「違国日記」、「風の奏の君へ」、「かくしごと」、「明日を綴る写真館」、「あんのこと」、「ナイトスイム」、「劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく！ Re:」、「特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースター」、「コードギアス奪還のロゼ　第2幕」、「罪深き少年たち」、「THIS MAN」、「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」など。

北米では 2024年2月23日公開。

コーエン兄弟の近年の監督作としては、2016年の「ヘイル、シーザー！」が、製作費2,200万ドルで、北米で約3,000万ドル、全世界で約6,280万ドル、日本で約6,300万円。

2013年の「インサイド・ルーウィン・デイヴィス名もなき男の歌」が、製作費1,100万ドルで、全世界で約3,290万ドル。

2010年の「トゥルー・グリット」が、製作費3,800万ドルで、北米で約1億7,100万ドル、全世界で約2億5,200万ドル、日本で約2億円。

2008年の「バーン・アフター・リーディング」が、製作費3,000万ドルで、全世界で約1億6,300万ドル。

2007年の「ノーカントリー」が、製作費3,700万ドルで、全世界で約1億7,100万ドル。

上映館数も少ないし、ヒットになるのは厳しいか。

面白いんですけどね。

初登場圏外スタートと予想。

最終興行収入は2,600万円と予想。

星3つ半（5点満点）

★★★☆