檀一雄による同名短編小説を大林宣彦監督が映画化。
「この空の花 長岡花火物語」「野のなななのか」に続く“戦争三部作”の最終章。
1941年の佐賀県唐津市を舞台に、戦禍の中に生きる若者たちの心が火傷するような凄まじい青春群像劇を、圧倒的な映像力で綴る。
出演は「野のなななのか」の窪塚俊介、「三度目の殺人」の満島真之介、「マイ・バック・ページ」の長塚圭史、「彼女の人生は間違いじゃない」の柄本時生、「クレヴァニ、愛のトンネル」の矢作穂香、「チア・ダン 女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話」の山崎紘菜、「世界は今日から君のもの」の門脇麦、「だれかの木琴」の常盤貴子など。
脚本は大林宣彦と「HOUSE ハウス」「ふたり」の桂千穂。
音楽の山下康介、撮影・編集の三本木久城、美術の竹内公一、録音の内田誠ら「野のなななのか」スタッフが引き続き参加。
主題歌は門脇麦の「月地抄」。
2017年第91回キネマ旬報ベスト・テン日本映画2位、日本映画監督賞(大林宣彦)、第72回毎日映画コンクールの日本映画大賞などを受賞した作品です。
映倫区分PG12
2017年作品
日本映画
配給は新日本映画社
上映時間169分
現在、私の住んでいる大阪は緊急事態宣言で映画館は休館。
いつもは新作のレビューと興行収入予想をしていますが、それが出来ないので過去作のレビューと興行収入を書きます。
この作品は、劇場公開時に見逃してました。
今回が初見です。
今、Amazon primeで観れます。
大林宣彦が1977年の「HOUSE ハウス」より以前に書き上げていた脚本を映画化した作品です。
1941年の太平洋戦争勃発前夜の佐賀県唐津市を舞台としていて、劇中登場する唐津くんち祭りの描写がとても印象的です。
とても大林宣彦監督らしい作風で、もうこれは大林監督でしか表せない表現方法です。
わざとなちゃちな合成、色彩、文字の入り方、物凄い数のカット割り、カメラアングル、芝居がかった演技に珍妙な台詞・言い回しなど、まさに大林作品です。
そしてなにより、反戦へのメッセージのストレートなところと、当回しなところ。
若い頃のアイドル映画監督の時でなく、晩年の大林監督にしか撮れない映画ですね。
2020年に劇場で観た「海辺の映画館 キネマの玉手箱」と同じような雰囲気です。
ただ今作の方がカット割りが多いのか、上映時間169分と長編なのに、全編目まぐるしい展開。
それが最初から最後まで続きます。
特にこの2作品はやりたい放題な感じです。
大林監督のファンならいいと思いますが、ファンデなければちょっとしんどいか。
大林監督の反戦への伝いたいメッシージの熱量はわかるけど、この世界観にハマらなければ、途中で観るのをやめてしまうかもです。
好き放題にやるというエネルギーだけで生まれる映画という感じですかね。
個人的には今作よりも「海辺の映画館 キネマの玉手箱」の方が面白かったし、心に刺さった。
「野のなななのか」よりは、メッセージがストレートではない。
今作は原作ものなので、原作はどういう雰囲気なのか読んでみたくなった。
■興行収入
2017年12月16日公開。
興行収入はわかりません。
ちなみに大林監督の遺作「海辺の映画館 キネマの玉手箱」は興行収入4070万円と最後の作品なのに、寂しい数字。
コロナ禍だったのでしょうがないですかね。。。
星3つ半(5点満点)
★★★☆
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