1958年度芸術祭文部大臣賞を受賞した同名の1958年のテレビドラマの映画化。
第二次世界大戦中に上官の命令で捕虜を刺殺した理髪店主が、戦後C級戦犯として逮捕され処刑されるまでを描く。
「コタンの口笛」の橋本忍が、自身の原作を自ら脚色・監督する。
橋本忍の初監督作品。
撮影は「暗黒街の顔役」の中井朝一。
出演はテレビドラマ版に続いてフランキー堺、新珠三千代、菅野彰雄、水野久美、藤木悠、平田昭彦など。
原題「Lips Forbidden to Talk」
1959年作品
日本映画
配給は東宝
上映時間113分
現在、私の住んでいる大阪は緊急事態宣言で映画館は休館。
兵庫・京都も休館しているので映画館に行けません。
いつもは新作のレビューと興行収入予想をしていますが、それが出来ないので過去作のレビューと興行収入を書きます。
中居正広が主演した2008年版のリメイクより、こちらの59年度版の方が好きなんです。
リメイク映画版が公開されるのに合わせて、この59年度版がDVD化された時に、初めて観たんです。
1994年にはTBSで、所ジョージ主演でテレビドラマもありましたが観てません。
58年のテレビドラマ版は子供の頃、なにかで観た記憶があって、少し記憶にあったんです。
ドラマ版はセットがかなりちゃちで、なんかちゃちすぎるなぁ。。。と思ってた記憶が。
そこばかり見えて、物語の深さを読み取れてなかった。
でも、後年、この59年の映画版を観て、とても感動したんです。
今、Netflixで観れます。
C級戦犯でも、二等兵が処刑されるんだ。と当時はとてもショックを受けた。
こんな理不尽な事があっていいものか。
たったひとつしかない命を、簡単な裁判で虫けらのように扱われて、死んで行く者たちは、さぞかし無念だったろう。
これが敗戦国の運命なのか。
そんな簡単な言葉で片付けていいのか。
と、当時、命の重さをとても考えさせられたんですよね。
途中、獄中で刑が軽くなって釈放されたものがいるとか、希望をもたらす噂が流れ、観ているこちらも、そりゃそうだ。こんな事で処刑されるわけがない。と思ってしまう。
でも、現実は違う。
いとも簡単に、刑を執行日を言い渡され、執行される。
執行されることを知った時の気持ちは、どんな気持ちなんだろうか。
なんと理不尽な。
家族を残して、なんで死なないといけないんだ。
って、小さな希望から絶望に落とされる気持ち、フランキー堺が見事に演じています。
とても、胸が痛い作品です。
降雨反戦映画を観ると、我々も考えさせられる事がたくさんあります。
この作品、東宝映画らしい作りなのもいいですね。
出演者もそうですが、反戦の雰囲気が当時の東宝映画らいい感じがします。
なんか、もう一度、中居正広が主演した2008年版を観たくなってきたわ。
■興行収入
1959年4月12日公開。
配給収入は記載がなく不明です。
当時で配給1〜2億円くらいはいったんでしょうか。
今でいうとどれくらいかな?
興行収入にすると、今だと25〜30億円くらいかな?
星4つ(5点満点)
★★★★
1958年ドラマ版のダイジェストです!
「私は貝になりたい」1959年度版のDVDです!
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「私は貝になりたい」中居正広主演2008年リメイク版のDVD&Blu-rayです!
「私は貝になりたい」中居正広主演2008年リメイク版のサントラです!
「私は貝になりたい」中居正広主演2008年リメイク版のノベライズ本です!
「私は貝になりたい」中居正広主演2008年リメイク版のパンフレットです!
本作の原作ではないですが、加藤哲太郎著の「私は貝になりたい:あるBC級戦犯の叫び」です。