山水人~2006年

GOAGIL24時間DJSET

とうとうこの日がやってきた。

この日の為に僕とTAKADETH君は2日も前から会場入りしていたのだ。

昨年、2005年~山水人~ で僕らをコテンパンに折り畳んでくれたGOAGIL爺さん。

あのイケイケハッスル爺さんに会いにきていたのだ。

思えば、あのべらぼうな興奮を求めて一年を過ごしたような気さえする。

時々自分を疑うような日もあった。美化された古い記憶のように、自分の記憶の形を変えてしまっていやしないか。あの興奮は本当だったんだろうか?と。

それほど去年のGOAGIL24時間は強烈な一日だった。

そして、去年は客として酒まみれの朝を向かえた僕だったが、今年は各地のイベントを巡る雑貨屋になっていた。

そこらへんも見逃せない自分の変化だ。

今年は、去年来日がかなわなかったGOAGILの奥さんARIANEも無事に来日を果たし、GOAGILのプレイの前に数時間のアンビエントDJを務めることになっていた。

ARIANEのプレイの前になんとか店の準備を終えた僕は、店の中から今か今かと昨日みんなで積み上げたスピーカーから音が出るのを待っていた。

日が暮れ始めた頃、スピーカーから太古の空気を思わせるおおらかなリズムが流れ出してきた。

おや、いいね。とか何とか言っているうちに曲調というか、音の質が太く早く変わってきた。

なんと書けばいいのだろう。

僕はあんな攻めのトライバルアンビエントは聴いたことが無い。

そしてARIANEがトライバルという枠の中でアゲ倒した後、彼女の背後からGOAGILがスッ前に出てきた。

DJという形で修行を続ける仙人GOAGILの登場である。