思いは伝わる
先輩に十数年ぶりに会った。
色々あった人だけど、顔を見た瞬間、止まっていた時計の針が動き出したように、全てが川の流れのように動き始めた。
なんてことのない日常の会話にも、十数年の苦労が滲み出ていた。
仕事のこと、家族のこと――そして、お母さんが亡くなられたこと。
その時の状況や、今も手つかずのままの母の家のことなど。
これ以上聞いたら涙が止まらなくなりそうで、思わず話にちゃちゃを入れてしまった。

不器用で、温かい人
僕の中では口の悪い変わった人。
だけど、不器用で温かい人なんだと改めて思った。
帰り際、お互い何気なく口にしてしまった会話
「日本に住む気ないの?」
「一緒に仕事しようよ」
「嫌なの?」
「嫌なわけないじゃん、笑」
昔はそれなりに楽しくやっていたけど、お互いの「やりたいこと」がバラバラすぎて長くは続かなかった。
でも、今なら――なぜか今日は――役割分担できる気がした。
何かが始まる予感
何が楽しいのかはまだわからない。
でも、何かが起こる気がする。
ふと、過去に街づくりでお世話になった方々にも、十数年ぶりに会ってみたいと思った。
あの時の僕には戻れないけれど、あの時より少し強く、少し図々しくなった僕がここにいる。
少し図々しく生きてみようかな――そう思えた一日だった。
僕に幸あれ、君に幸あれ