横浜駅、夜10時。

全く土地勘もないまま、ふらふらと夜の街を歩いていた。

「10時6分の電車に乗れば、新幹線の最終に間に合うよ」
飲み屋のお姉さんが教えてくれた言葉を信じ、千鳥足ながら必死に歩く。
歩く。けど、まっすぐ歩けてるかどうかも怪しい。

改札にたどり着くも、どれに乗るのかわからない。
とにかく「新横浜」の文字を頼りに階段を駆け上がる。

…あった、間に合った、かも?

時計を見ると6分。
でも電車が来ない。
…と思ったら、もう停まってる。しかも短い8両編成。
「あわわ」なんて言葉が口から出て、慌てて車内へ。

新横浜まで、あと4駅。
これ、本当に間に合うのかな…。

電車が新横浜に着いたのは、10時18分。
新幹線の最終発車時刻は10時21分。

チケットもまだ買ってない。
混雑の中、改札へ走る。気持ちだけは猛ダッシュ。

「名古屋行き…もう無理ですよね…?」
半泣きの顔で駅員さんに言うと、
「今すぐこれ持って走ってください!」とチケットを手渡された。

走った。走った…というか流されながら進んだ。
ホームに着くと、そこにいた。新幹線。

訳もわからず乗り込んだ。
間に合った。たぶん、0秒。ぴったり。

奇跡みたいな時間だった。
夢の中にいるようだった。

あきらめなかったから?
偶然だっただけ?

でも、確かに乗れた。

さあ…クレジットカードはご利用いただけません…現金あったかな…