ギターに限らず、弦楽器或いは鍵盤打楽器とも言われるピアノにも糸巻きが付いております。ピアノの場合 糸巻きではなくてピンと呼ぶようですが。
そこで、いろいろな工房の方やディーラーさんまたはユーザーさんの間では、いったいギターの糸巻きは 練習や演奏終了後に緩めるのが良いのかそうでないのがいいのかという話題が 長年話し合われてきました。
今もまだ続いているようです。
夫々が夫々において夫々に正しい・・・・・なんて言うと、落語のまくらみたいになってしまいますが、私個人が数々のギターなりベースなりの個体を弄ってきたとはとても言えないものですから、これこれこうに違いないとは申せません。
申せませんが、ただ 私が思う事について一つ二つ。
今手元に有る、世にアコースティックギターと言われる フォークギターと呼ばれていた2つのギターにはものには、1セットずつそれぞれ別の種類の方法で弦を張っています。
片方のギターには通常の(6弦から)E-A-D-G-B-E(1弦)の6本を張ったもの。確か60kgだか70kgの力が掛かっているとも言われいますね。私は測定したことが有りませんが。
もう一本のギターには、6弦側のE-A-D-Gの4本を1オクターブ上げた ナッシュビルチューニングという方法で張っています。
この調弦の方法は、以前に「ナッシュビルチューニングのギター」 というお題でご紹介していますから、詳しくは割愛します。
これは特に低音側の4本の弦が通常に比べてとても細く 明らかに張力がずっと弱くなっておりまして、4本分違うことになりますから 恐らくは一般的に張った弦を大分緩めた状態になっているはず。
さて、この通常に張った弦のギターと ナッシュビルチューニング弦のギター。
勿論本体の製作時期が違えば製造元も違う会社のものではありますが、 この手元に有る二本のギターに関しては どちらの楽器も緩めなくとも竿の部分の順反り・逆反りはしておりません。
特にナッシュビルのギターについては 反りが生じるならば逆反りをして弦がフレットに触れってしまっていてもやむを得ないんじゃないかと思うものの、その気配もなさそうです。
という所から考えますに、少なくとも竿に関してはいちいち調弦の糸巻きを緩める必要はないんじゃないかと、そんな風に思っているわけで。
もっともこれには別の理由が有って、特にナッシュビルチューンの最高音である第3弦の糸巻きを動かすと弦が切れるんじゃないかという問題が生じるからでもあるのですが。
ピアノ調律師さんに伺うと 一番弦が切れやすいのは調律でピアノのピンを回す時なんだそうですよ。
ですので、寧ろ練習の度に緩めたり張ったりを繰り返す事の方がギターさんには良くないんじゃないでしょうか。
問題があるとすれば ブリッジを接着してあるお腹のふくらみはどうなのか(胴なのか?)という事になりそうで、少なくとも今現在はどちらも平らな状況を保っており 定規を当ててもどちらかが浮くということもありません。
もうひとつ、別にクラシックギターが転がっています(別に転がっているのではなく、ケースに仕舞ってあるのですが)。
これについてはもちろん弦がナイロン製だったりとロッドが無かったりといろいろ条件は違ってはいますが、こちらも竿がどうこうという問題もなさそうです。
クラシックギターの場合、弦とフレットとが触れ合うとクラシックギターらしいまろやかな音が損なわれてしまうので、ちょっとやそっとの弦高の違いをあまり気にしないし ある程度高い方がありがたいってこともあるんですけどね。
みなさん、どうお考えになりますか?