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こんにちは。
以前、研究計画書の作成についてご紹介したことがあります。
研究計画書作成で研究デザインを決めるとき、よく「定量か定性か?」という話になることがあります。
これは、定量的研究と定性的研究のことを指しています。
ちなみに、看護研究では「量的研究と質的研究」ということが多いです。
これって、言葉は似ていますが、説明するとなるとちょっと考え込んでしまいますね。
そこで今回は、この定量的研究と定性的研究について考えてみたいと思います。
定量的研究と定性的研究の違い
定量的研究と定性的研究は、研究デザインの分類法の一つです。
つまり、定量的研究と定性的研究は、特定の研究デザインというより、研究デザインを二分する類型概念と言えます(田村,2006,p.32)。
定量的研究とは、単純に言えば、結果を数字で表すことができる研究です。
例えば、日本でどのくらい少子化が進んでいるかをテーマとするなら、出生率が何パーセント下がっているとか、この10年で出生数が何人減っているなど、数字をもとに論理を展開します。
あるいは、質問紙調査(アンケート)で得られた結果をもとに考察を進めることもあります。
一方、定性的研究とは、対象の性質に着目した研究です。
例えば、就職後、短期間で退職する人たちにインタビューを行い、退職理由や職場環境などについての発言内容を解析して、結果を出していきます。
観察数の違い
定量的分析の場合、観察数(研究対象数)はかなり多いです。
学部生の研究では最低でも50~100名、修士の場合は200名など、まとまった人数の統計結果が求められます。
一方、定性的分析では、観察数は多くありません。5~10名程度、中には1名のみということもあります。
両方を兼ね備えた方法
ただし、近年、テキストマイニングなど、定量的研究と定性的研究の両方を兼ね備えた方法が登場しました。
テキストマイニングとは、インタビューなどで取得したテキストデータを自然言語処理技術で分析して、その結果をもとに考察を進める手法です。
インタビューなどで得たデータですので、その意味では定性的研究ということになりますが、大量のデータを対象にするという点では定量的研究の性質も兼ね備えているとも言えます。
定量的研究か定性的研究か
もちろん、定量的研究と定性的研究のどちらを選ぶかは、著者であるあなたが決めて構いません。
ただ、参考までにいうと、田村(2006,p.35)は、「経営学、社会学、政治学など、多くの分野での研究は、定量的研究と定性的研究に2極化される傾向がある。(中略)それだけでなく、定量的研究者と定性的研究者の間には、空いてのリサーチ・デザインについての批判の応酬が多い」と述べています。
定性的研究論文を定量的研究者である査読者が査読した場合、リジェクトされることもないとは言えません。
ただし、それを気にするときりがないので、あなたが研究デザインを決める場合は、まず、主査である先生によく相談したあとで決定されることをお勧めします。
すべて決めてしまった後に先生に報告しても悪くはないですが、そこで却下されてしまったら、また最初から考え直さなくてはならないからです。
※この記事の参考文献
田村正紀(2006)『リサーチ・デザイン: 経営知識創造の基本技術』白桃書房
…参考になるところがあれば、幸いです。
基本は以上のとおりですが、先生の方針もありますので、相談しながら進めましょう。
もし、研究テーマで行き詰ったときは、当社でもサポートを行っています。
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時間が経つほど対応が難しくなりますので、お気軽にお問い合わせください(^^)。
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