病院食と放射能 | 皮膚科医が放射能やアトピーについて考える

皮膚科医が放射能やアトピーについて考える

金沢市の野町広小路医院で皮膚科医をしています。
何を信じればいいのかわからないこの時代に、
医師の視点から放射能汚染や皮膚科医療の問題点について考えます。

1月下旬から約1週間、スキー転倒による骨折で家内が金沢市内の総合病院に入院していました。

やはり、病院食の安全性が気になりましたので栄養管理の責任者の方と話をする機会をもちました。


病院の方針としては
○ どこまで安全かを判断することが難しいので、政府の基準値を信頼するしかない。
○ 西日本の食材を優先して使用するなどの対策はしていない。
○ 福島周辺の高汚染地域の食材は避けている。
○ 汚染牛問題のときのように基準値越えのものが流通した場合には、安全性を確認する。

というものでした。


私の意見として
○ 乳児や妊婦、さらには癌患者も病院食を食べるのだから汚染地域の食材は出来る限り避けるべ
  きだ。
○ 産地選定が無理であれば、せめて希望者だけでもよいので産地公開をしてほしい。

以上のことを伝えました。


病院側からは、
食材は業者経由で購入しているので、産地選定や産地公開は難しい面もあるが、産地公開に関してはできるだけ努力するとの回答を頂きました。



日本には“医食同源”という言葉があります。医療も食事も健康を保つためには欠くことのできないものであり、本質は同じであるという意味です。
私自身も“病院で出す食事は薬と同じ意味合いをもつ”と思っています。

病院には抵抗力の落ちた人や小児がんの子供達もいるのだから、発癌のリスクが指摘されているものを、ほとんど何の対策もせずに病院食として出すことは、私には抵抗があります。

もし病院長や勤務する医師らが放射能のリスクについて慎重な姿勢であれば、病院食を改善することは可能であるはずです(コストの問題はあるかもしれませんが)。
「漢方薬と放射能」 でも書きましたが、このことについても医師が放射能に対して無関心、無知であることがみてとれます。


基準値以下の食品が安全であるかわからない現状においては、汚染された食材を食べるか食べないかは、わたしたち食べる側が選択するしかありません。

ですが、給食や病院食のように半ば強制的に食べさせられるもの(食べる側が選択できないもの)、特に子供が食べるものについては、作る側が注意を払わなければいけないと私は考えます。





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