暫定基準値は安全? | 皮膚科医が放射能やアトピーについて考える

皮膚科医が放射能やアトピーについて考える

金沢市の野町広小路医院で皮膚科医をしています。
何を信じればいいのかわからないこの時代に、
医師の視点から放射能汚染や皮膚科医療の問題点について考えます。

低線量内部被曝の人体への影響が不明であるなら、暫定基準値が安全かどうかも不明である、
というのが私の考えだ。

セシウム500ベクレル/kgの食品を1年間食べ続けた場合、年間約5mSvの内部被曝をうける、
と国は試算している。われわれが天然の核種(カリウム40など)から受ける内部被曝量は
年間約0.4mSvだから、その10倍以上の値を国は許容していることになる。

しかも年間5mSvというのはセシウムに限った数値であり、更にストロンチウムなどからの被曝
も加わる。

このような単純な比較だけでリスクを予想できるわけではない。しかし、暫定基準値が安全
だとは、私には思えない。

今年の4月からセシウム100ベクレル/kgに基準値が変更される。だが全数検査可能な測定器が
整備されていない現状では、基準値を下げても意味がない。

今は基準値が安全か危険かを論じている場合ではないように思う。
被曝は少なければ少ない方が良い、という前提にたち子供達の内部被曝を少しでも減らす努力
をすべきだ。



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