ニコニコ 無事に退院をし、家でノンビリしております

お優しいメッセージやコメント、有り難うございました



「16000」と「400」

これは、日本での臓器移植の待機者の方の数と臓器移植の年間の数です(ドナーさんの人数ではありません)


今回の入院に当たり、病院からの事前アンケートに移植コーディネーターに話を聞きたいかとの項目があり、移植コーディネーターさんにお会いした事も無かったし、私の中で燻っている疑問もあったので○を付けて提出をしたら、手術後の3時間後位に、木村多江さんに似た可愛らしい移植コーディネーターさんがお話しに来て下さいました。



先ず最初に、私が病気の為に心臓、肝臓、肺などの臓器が提供出来ないから、眼球位しかお役に立てないのかと思っている事をお話しすると、コーディネーターさんは「そんな事は無いです。骨や皮膚、または心臓の一部でも使わせて貰う事が可能なんです」と教えてくれ、私はそれを伺っただけでも、自分が出来る事があるとわかり嬉しかった。

(皮膚と骨の移植は今回初めて知りました。骨は冷凍保存され移植が必要な時に使われるそうです。ただ日本で骨の移植が出来る大学病院は一件だけだそうです)


今から30年程前、浦安の小さな郵便局で黄色い可愛らしい天使のイラストが書かれたカードを手に取った私は、それからお財布にはそのカードを常に入れて、今は緑色に変わったカードを入れています。

そして、ネット登録も済ませているお話しをしたところ、コーディネーターさんが「ネット登録をした方と初めてお会いしました」と言われ、自分の家族を考えてもそれが今の日本の現実なんだわと改めて、最初に書いた数字が浮かびました。



勿論、臓器提供の希望の為にカードを携帯する事も大切だけれど、不希望を知らせる為に携帯する意味もあると私は思っています。

何よりも、個人の意志は尊重されるのが前提

ただある日突然、不幸に見舞われた時に自分では意志を口で伝える時間は無いかもしれなく、遺された方達もわからないと思います。

でも、一枚のカードで自分の意志を遺された方達に伝える事は出来、自分らしい「さよなら」のお役立ちにも出来るのではないかしらと私は思っています。

私が臓器提供希望や尊厳死協会に登録したいと母に話したら、「そんな話をしないで!」と強い口調で言われ拒否された話をしたら、コーディネーターさんは、「お母様のお気持ち、凄くよくわかります」と涙を拭かれました。

十月十日、お腹の中で大事に育み、大変な思いをして産み落とし育ててくれた母。

子供を産んで、育てた事の無い私には母親の子供に対する気持ちは100%はわかりませんが、話を拒否するのが母の愛情からなのだと理解出来るようになりました。

なので、エンディングノートに延命治療はしない事と臓器提供のお願いを明記して残してあります。



何故か昔から漠然と「臓器提供はしても移植は希望しない」と決めていた私が「拡張型心筋症」を発病し、以前の大学病院の主治医が移植登録の話をされた時、「移植は希望しません」と自分の想いを話し、それに対し「ノムさんの気持ちは、しっかり受け止めました」と言って下さったのをよく憶えています。

現在は、移植のイの字も出ない程落ち着いていて、今の主治医とそんな話をする事も無いけど、CRT-Dの電池交換の時に移植コーディネーターさんと話を出来た事に嬉しさと意味を感じた。


心臓移植が出来る病院は、まだまだ日本では限られていて、私の通う大学病院でも出来ない。

でも、他の移植手術はおこなわれているし、人工心臓をつけながら移植の日の為に待機なさっいる方も居るとコーディネーターさんが教えてくれました。

臓器移植はドナーさんから、レシピエントさんへの最期の贈り物

それはドナーさんが最期まで人生を大切に生きてきた証であり、レシピエントさんの未来の笑顔の種になると私は思っています。

そして、自分のエンディングの意志を皆が当たり前に穏やかに話せる時が来たらいいなと思いながら、今回のブログを書きました。


いつか、私が家族で一番長生きして、このブログを振り返りで読んで「そんな時もあったわね、クスッ」と笑っているのかもしれないですねラブラブ