真顔  いよいよ私も年齢膝かしら、、、泣
         ちょっと独り言



好きな小説家の一人、浅田次郎さん

短編集から長編小説まで、軽快で粋な文章運びの中に、私が思う男が男らしく、女が女らしく書かれていて、義理や人情、不思議な縁や人間の根底にある優しさ、愛される事より愛する事を幸せに思う気持ち、読んでいるとその世界を一生懸命生きている人々の情景が滲んでくる

中でも「天切松シリーズ」大好きです。

以前、亡くなった先代の中村勘三郎さんが主役でドラマ化したけれど、私の中では「振袖おこん姉御」は岩下志麻さんに演じて欲しかった~


江戸弁が鯔背でカッコいい飛び出すハート


でも、最近の浅田次郎さんの小説は何だか私の中の琴線から離れてしまったのか、「きんぴかシリーズ」以来読んでいなかった。

それが、先日本屋さんに行った時になぜか目に止まった


映画にもなりましたね


「あ~、懐かしいなぁ、もう一度読んでみよう」と迷うことなく買って帰り、読み始めました。

「そうそう、この感じキューン小説の世界にスリップしてしまったような感覚。隣に小説に出てくる人達の吐息や体温や泣き声、笑い声や海の近くを走る電車の音や銀座のネオンの中を歩くヒールの音さえ感じるような浅田ワールド」


そして、この中に出てくる天才心臓外科医が居る病院のモデルとされた「亀田総合病院」

私が初めてその病院を知ったのは、25年位前

遺体安置所が最上階の一番明るい部屋にあり、黄泉へ旅たつ故人が空に近い明るい部屋で最後を過ごして欲しいという配慮と聞き、なんて素敵なんだろうと思った。

その後、心友が癌になり転院を考えていた彼女に紹介したけど、彼女には間に合わなかった、、、

浅田次郎さんは、お母様を重度の狭心症から救うために亀田総合病院の門を叩き、お母様はお元気になり、その経験からこの小説を書いたらしいが、私の父も亀田総合病院に連れて行けたら手術してもらえたのかしら、、、真顔なんて思ってみたり


読み終わったら、ほっぺに涙が次から次へと落ちてきて、最後に鼻を噛んで「エヘヘ」と笑ってしまった。

その時、中島みゆきの「シュガー」がBGMが私の頭の中に流れていました。