今、吉田修一原作の「国宝」の映画が話題になっており、自宅の本棚に吉田修一「悪人」が読まれてなく残ってました。
今回、興味があったので早速、読んでみました。
上巻の表紙カパーには、以下の事が書かれてました。
「九州地方に珍しく雪が降った夜、土木北作業員の清水祐一は、携帯サイトで知り合った女性を殺害してしまう。母親に捨てられ、幼くして祖父母に引き取られた。ヘルス嬢を真剣に好きになり、祖父母の手伝いに明けくける日々。そのな彼を殺人に走らせたものとは、一体何か。」とあります。
下巻の表紙カパーは、以下の通りです。
「馬込光代は双子の妹と佐賀市内のアパートに住んでいた。携帯サイトで出会った清水祐一と男女の関係になり、殺人を告白される。彼女は、自首しようとする祐一を止め、一緒にいたいと強く願う。光代を駆り立てるものは何か。」とあります。
小説自体は、わかりやすく、人物描写、背景、ストーリーなど説明が親切です。
始めに、携帯で知り合った女性の石橋佳乃を殺したのが裕福な大学生・増尾圭吾の疑いがかかり自分も犯人だと思っていましたが、実は、清水祐一でした。山中で増尾圭吾に捨てられた腹いせに、「レイプで訴えてやる」と叫ぶため喉を抑えて死亡させてしまったのでした。出会いサイトと言いながら売春まがいの石橋佳乃。ヘルス嬢を真剣に好きになり、部屋まで借りたが捨てられる土木北作業員の清水祐一。その清水祐一が馬込光代を本当に好きになり、殺人を告白する。
それから愛の逃避行が始まります。捕まるまでできるだけ長く一緒にいようとします。自首を止めた馬込光代に罪がいかないように、全て清水祐一のせいにしようとします。
最後、警察に捕まりそうになる時、光代の首を絞めようとして捕まりますが、それは、自分は、殺人鬼で光代に罪はないと思わせるジェスチャーではないかと思いました。
清水祐一は、本当に優しい男です。刑期を終えて光代が迎えに行ってほしいと願いました。
そう考えると題名の「悪人」は誰なのと考えると直接殺人はしていないが、性格が悪く、山中に
石橋佳乃を置き去りにした増尾圭吾だと勝手に思いました。
清水祐一が5~6才の時、母が父に会わすと言ってフェリー乗り場の置き去りにされた。朝まで待っていて、係員から言われても「母がここにおれ」といわれて動かなかったシーンには、グッときました。
すっかり吉田修一のファンになりました。また別な本を読もうと思いました。
この本は、妻夫木聡主演で映画化されており、機会があれば見ようと思います。
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