ぼく、ロンです。
おっと、しっぽにて失礼。
ここのところ急に寒くなったので
ぼくは毛布にもぐりこんでいます。
ぼくのママは
ベッドの上でよく本を読んでいる。
読んでいる本の表紙には
必ずと言っていいほど、この漢字4文字がある。
「江國香織」
どうやらそれは
作家の名前らしい。
ママは言う。
「『江國香織作品検定』なるものがあったら
私はかなりの高得点をねらえると思う」
それほど
その作家の作品を
繰り返し読み込んでいるらしい。
「熱狂的な思いがあるわけではない。
(事実、20代半ばに初めて読んだ『落下する夕方』の感想は、「なにこれ?」だった)
だけど
その言葉やひらがなや漢字や文間や
なにやらが
妙に心地良く
静かに心に沁みわたり
中毒性がある。
(『落下する夕方』何度読み返したことだろう。)」
というのが
ママが語る
江國香織さんの魅力らしい。