生まれて初めて『松茸』なるものを自前で購入した。
中国産のヤツだけどそれでもイチュイキュッパーもしたので、わたしにとってはトテツモナイ高級食材である。

イチキュッパー松茸(中国産)
料理は好きだし、得意なので(美味しいかどうかは別)、秋の味覚の王様を一度調理してみたかったのだが、ネットでちょっと検索したら国産の良いアレだと数万円(ひえ~~~)とかするし、数千円単位ならモノを見て買いたかったので近所のスーパーに足を運んだ。
いつも行く激安スーパではなく、ちょっとお高いスーパーに行って生鮮野菜コーナーで松茸を選ぶ。なんせイチキュッパーだ。1980円だ。ユニクロならけっこういい服が買える。スタンダードなVネックとかのニットを買ったとしたら、わたしは少なくともそれを3年は着ると思うので、イチキュッパーは洋服ならば3年の価値があるのだ。しかし食材のイチキュッパーは長くとも数日でわたしの胃袋に消えてしまう。慎重に選ばざるを得ない。
ネットで検索したら、『松茸は香りが強いモノほど良い』と、こう書いてあった。そんなワケでなんか箱みたいなのに入って上からビニールしてある松茸を手に取り、こう、ビニールと箱のスキマから漂ってくるマツタケ様の香りをクンカクンカと10箱程度嗅ぎまくるという奇行の末、周りの人になんかちょっと頭おかしいんじゃないかと思われて通報される寸前くらいに、ひと箱選んでカゴに入れ、日本酒の5合瓶と共にレジへ向かい購入した。二品だけなのに3000円くらい取られて愕然とした(あたりまえだ)。
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家に帰って、いざ、調理である。松茸と謂えば土瓶蒸し、土瓶蒸しと謂えば松茸、くらいメジャーな『松茸の土瓶蒸し』を作ろう。
和食はワリと得意だ。昆布と鰹節で出汁を取る。

以前の『花わさび漬けプレゼント企画』で、わりかし評判が良かった出汁である。まぁ、貰っておいて美味しくないとは言えないだろうから、ハナシ5割くらいでの評価だとは思うが、普通のシンプルな和食出汁だ。
正直、このときのわたしは、『松茸の土瓶蒸し』なんか簡単だろ?とか思ってた。出汁にエビ、ハモ、ギンナン、鶏肉、そして主役の松茸突っ込んで煮立てれば完成じゃん?と。
和風出汁を作り、その一部を小ぶりな別の鍋に移し、生のエビ、ハモ、ギンナン、鶏肉、マツタケを入れて再度煮立てる。
土瓶なんていうモノはビンボーなわたしの家には当然存在していないので、代用品として、お茶を入れる耐熱ガラスの急須に入れる。それっぽいじゃん?それっぽいよね?

はっはっは!!!いただきます!

結論 : 大失敗!!
まー、美味しいよ。キノコのお吸い物としてはフツーに美味しいよ。
けどね・・・松茸の香りが殆どしないのだ。生のエビやハモ、鶏肉と煮立ててしまったのが原因。それらの食材から出汁が出て、繊細な松茸の味と香りを目立たないものにしてしまったのである。
たぶんだけど、エビとか魚とかの出汁のでる食材は、松茸と一緒に煮立ててはイケナイ。別の鍋で茹でてから、単なる材料として投入しなければならなかったのだ。結果、松茸の土瓶蒸しを、単なる海鮮鍋みたいな『キノコのお吸い物』にしてしまったのである。味はいいよ。味は。いろんな出汁がでてるからね。でも、主役は松茸なのに、脇役をしゃしゃり出させてしまった結果、松茸の土瓶蒸しではないものが出来上がったグギギ...
この結果を踏まえて。リベンジ。松茸ごはんを作る。
よ~~~く研いだお米に、薄めの出汁、松茸のみ!炊飯スタート!

完成!頂きます。

結論:大成功!!!
松茸の風味と香りのみがお米全体に行きわたった、すてきな松茸ごはん。
米って偉大。そう思った。炊飯器をあければそんじゃそこらのアロマの香りなんかより素晴らしい松茸のかほり。ソレをお茶碗に盛って食べれば脳ミソはイン・トゥー・ヘヴン。
日本人なら米だ。
わかったかオマエラ!!!