遠くの街に 犬の吠える | Love Faith Alive

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また本屋さんで見つけてしまった。

意識してるワケじゃないんだけど、呼ばれてると言うか、買いなさいって言われてるような、そんな本に出逢う事が 時々ある。何か背表紙とバッチリ目が合っちゃうんだよね…。

でも今回は…ちょっと切なかったな。

「言葉の正体は音なんです。音がなかったら文字も生まれませんでした。」

物語に出てくる「先生」は、時代と共に変化して使われなくなった古い言葉、忘れられた言葉、抹消された言葉たちを集めた、見知らぬ言葉の辞典「バッテン語辞典」の編集に取り組んでいた。

「先生」の弟子達にあたる主人公らが、先生の亡き後、色恋沙汰の無かった先生の手紙を読む。

私は途中で「先生」が誰に書いたお手紙なのか分かっちゃった。手紙って、自己中心的な部分があるし、相手がいつ読むかも分からない。それをバッテンして封をする。自分の存在に気付いて、っていう想いも少なからずあるのであって。

「言葉を見つけだすためにたくさんの手紙を書き、正直にありのままを書くことで、あなたへの想いを表すいちばんいい言葉が見つかるのではないかと期待していました。でも、とうとう見つけることが出来なかった。」

あぁ…。

何て言ったらいいんだろう…。

通常ならストレートに言っちゃいなー!って気分になるんだけど、い、言えない…。

過ぎ去った声、言葉達が、穏やかな川のように流れ、そして優しく包まれてゆく。

綺麗だなと思いました。