ファイヴ・ライヴ・ヤードバーズ | ひとつ言い忘れたこと

ひとつ言い忘れたこと

ボケないうちに書き残せ、今憶えていても5分後には忘れている。いつまでもあると思うなその記憶。

 

 
今みてもつくづく酷いジャケだと思う。クラプトンなんて下手くそな絵だし、おまけにブラインド・フェイス時代ときたもんだ。一番腹立つのが他のメンバーがまるでバックバンドみたいな扱いになってしまっていること。数年後にはこのレコードはとうとうエリック・クラプトン&ヤードバーズというタイトルになってしまいジャケはクリーム時代のクラプトンが大写しされたものになってしまったこともあった。
70年代初頭の日本でのヤードバーズの扱いなんてこんなものでしかなかった。オリジナルのジャケを実際この目で見ることなんて当時は田舎の博多では到底無理。(国内盤の初版はなぜかオリジナルに準ずるものだったらしいが)
 
だが、私にとってはこれがロックで初めて買ったレコード。ストーンズやビートルズといった有名どころを手にするのは恥と思っていたひねくれたガキだったんですな。ヤードバーズはその頃はまだマニアックなバンドだった。
それとデビュー・アルバムがシングルの寄せ集めではなくライヴ盤だったというのが良かった。
ルックス的にみても七五三みたいなビートルズや全然色男の居ないストーンズに較べヤードバーズは全然カッコ良かった。
 
このライヴ盤は今更いうのも何だが全てカバー。ブルーズやR&Bのカバー。
ストーンズもやっていたが、当時はしっくりこないというか何か好みじゃなかった。
リズム隊の違いだったんだろう。チャーリー・ワッツ、ビル・ワイマンよりジム・マッカーティ、ポール・サミュエル・スミスの方がわたしにはフィットした。
 
ハウリン・ウルフを知ったのもこの盤。ストーンズの"Little Red Rooster"よりヤードバーズの"Smokestack Lightnin'"
この曲でクラプトンがヒューバート・サムリンではなくロバート・ロックウッドJr.のギター・リックを使っていたなんてことは、もう少し後になって分かったことだが。
また、スリム・ハーポのカバーでもストーンズの"I'm A King Bee"よりヤードバーズの"Got  Love You If You Want It"
アイズレーズのカバーでもビートルズの"Twist and Shout"よりヤードバーズの"She's So Respectable"の方にセンスを感じた。
あと、後々酷評されてしまうキース・レルフのヴォーカルもこのライヴ盤ではそんなことを感じたことはなかった、ハープもミック・ジャガーやブライアン・ジョーンズよりキース・レルフの方が上手い。
ヴォーカルがロバート・プラントと較べてどうだとか、そもそもスタイルが違うし較べること自体ナンセンス。もうひとつ言わせてもらうとロバート・プラントにはソウルがないので全然好きではない。スティーヴ・マリオットにはソウルがあったが。
 
録音状態も今のブート並みで(いや、もっと悪いかも)音もダンゴだが熱量がハンパない。
クラプトンのギターがどうのこうのというものでもないバンドの一体感が素晴らしい。
これが自分のロック原体験だったことを今でも良かったと思っている。
 
残念ながらオリジナルには未収だったが、この曲もマーキーで演っていたらモア・ベターだったかも。
ボ・ディドリーのナンバーで大好きなこの曲

 
 
直接関係ないがこのオーストリアのバンドにはヤードバーズのDNAを感じる