ディック・ジョンソンを初めて聴いたのは、ジョージ・ウォーリントンのヴァーヴ盤「The Workshop Of The George Wallington Trio & Eddie Costa Trio」のB面に入っていたエディ・コスタのニューポートのライヴ。エディ・コスタ・トリオとはなっているが3曲入った中の2曲にはロルフ・キューン(cl)とこのディック・ジョンソン(as)が参加している。
このライヴで聴いたディック・ジョンソンが妙にツボだった。それで彼のリーダーを探していたらこのリバーサイド盤に行きついた。もう1枚エマーシーにもリーダー吹込みがあったのでそれも一緒に手にした。
このリバーサイド盤、まずドラムがフィリー・ジョーというのにそそられる。ベースがウィルバー・ウェア・・・ここで気が付く。同じくリバーサイドのアーニー・ヘンリーの「Seven Standards And A Blues」のリズム隊と同じ。アーニー・ヘンリーの盤を愛聴していたので期待度は益々上がる。悪かろうはずがなかろう。ピアノはウィントン・ケリーではなくデイヴ・マッケンナだったが、ズート・シムズのダウン・ホームでの好演が頭を過りワンホーンに強いのではないかと、これも期待させた。マッケンナとはジョンソンが70年代末にカムバックしてからも付き合いが続くことになる。
そんなこんなで蓋を開けてみれば・・。
 
いやいや、これが・・・
 
期待以上。
 
コニッツとペッパーを足して2で割ったようなディック・ジョンソンのよく歌うアルト。
私の嫌いなキラキラしたアルトではなく、私好みの少し燻んだ音色というのがストライク。
リズム隊も期待どおり。フィリー・ジョーは先記のアーニー・ヘンリーのリーダーほどではないが全然悪くない。マッケンナのピアノも同じく全然悪くない。ディック・ジョンソンがアンダーレイテッドなのは活動の場がビッグバンドがメインだった為だろう。もう少しコンボでの活動があったらと思うと残念。
 
 
先にディック・ジョンソンを知るキッカケになったエディコスタのニューポートのライブから
 
軽く肩慣らしよろしくスタートする1曲目だが、初っ端からジョンソンの魅力が出ている。

 

通常もう少し遅いテンポで演られることが多いこの曲だが、若干テンポをあげてスムーズに歌うジョンソンのアルトが堪らない。

 

 

ものはあれなんでエマーシー盤の方も