オンドレ・ストヴェラチェクのファースト・リーダー。
最初に聴いた「Sketches」も自主製作盤だったが運よく行きつけのレコ屋にあったので労せずして入手できたが、
この盤はオーダーを掛けても中々入らず半ば諦めていたがレコ屋で入荷情報をみて直ぐに入手。
ストヴェラチェクのテナーは初リーダーからコルトレーン信者っぷりを全開。
前にも書いたかもしれないが、彼のコルトレーンへの敬愛っぷりは聴いていて痛快。
物まね的な厭らしさがない。ゆえに聴くのが楽しい。
コルトレーンが生きた60年代の重さは彼にはないが、そこがコンテンポラリーでいい。
コンテンポラリーだが、ライト・ジャズというものでもない。ここら辺りのさじ加減がジャスト。
所謂懐古趣味ではない。曲も1曲がコルトレーン、あとスタンダードが2曲で他はすべて
ストヴェラチェクのオリジナル。
サイドメンに耳を移すとピアノのバド・パウエル張りの唸り声にニヤリとさせられる。
ピアノはパウエル・タイプではなくハンコックとタイナーの中間的。
ドラムはエルヴィン・ジョーンズ風。ストヴェラチェクのテナーにはフィットする。
東欧のジャズと言ってもそれほど民族性を表に押し出したものでもない。
至ってストレート・アヘッドで違和感がないが、微妙なUSジャズと違いが惹かれる魅力のひとつかも知れない。