私の迷い。
それは、好きな人に好きと伝えるかどうかだ。
世の中的に見て、結構どうでもよい悩みだと思う。
しかも「好きな人」とは言っても、相手は2年も前に別れた昔の恋人だ。
その人には今、新しい恋人が居る。
「好きな人」だなんて響きはふさわしくない。
引きずってるとか、未練があるとか、忘れられない人とか、そんな言葉がお似合いだ。
だから、今でもまだ好きだなんて堂々と言う事は出来ない。
ましてや、今でも好きだと伝えようかどうか迷ってるなんて、誰にも言えない。
私は33歳になってしまったのだ。
周りを見たってそんな事で悩んでいる人はいない。
だけど、私はどうしても彼が好きなのだ。
その事だけは、ハッキリと感じる事が出来る。
でも、だからと言ってどうにかしようという気はなく(彼には新しい恋人がいるんだし)
ただ、好きでいる事だけは盛大に許したいと思っている。
でもそれならなぜ、わざわざ本人に伝えようか迷ったりするのか。
勝手に一人で思っていればいいじゃないか。
その通りだ。私だって今までずっとそう思ってきた。
スピリチュアルなツインソウルの話まで持ち出して、自分に言い聞かせていた。
こんな話だ。
私たち一人一人の魂は、コップに入っている水の一滴みたいなものらしい。
そのコップは、この広い宇宙に無限にあるんだけど、
同じコップの中に入っている水はグループソウルといって、同じ使命を持った仲間たちなのだそう。
私たちは一滴の水としてこの地球に生まれる。
そしてそれぞれが、全然違う場所で、全然違う人生を生きて死んでいく。
そして死んだら、魂はまた元居たコップに帰る。
だからコップの中は、色んな人の人生の経験がミックスされて、
ミックスジュースみたいになっている。
魂がコップに帰るたびに、そのコップのグループソウルは経験値を上げアップデートされていくのだ。
そしてまた一滴の魂になって地球にやってくる。
私たちはその一滴なのだそう。
更にに面白い事に、同じコップから地球にやってくる魂は1つの時代に2つまでらしいという話だ。その2つの魂をツインソウルと呼ぶ。
つまり運命の人ってやつだ。
彼を運命の相手の様に思って居た私は、この話を聞いてなんだか少しがっかりした。
どんなに彼の事が好きで、運命の相手だと錯覚したとしても、
彼は宇宙にたった1人の存在な訳ではなく、
所詮コップの中の一滴に過ぎないのかぁ・・・と思った。
そう考えると「私には彼しか居ない」だなんて言えなくなる。
魂なんて元を辿ればコップの中の水なんだし、混ざれば全部一緒だろう。
と、こんなスケールの大きい事を考えていた。
彼だって所詮コップの中の一滴だと。
この壮大な宇宙の話を前にしたら、彼を失った事などどうって事ないって、
私は私を騙してなんとか今までやってきたのに。
でも、もう私は私を騙すのをやめた。
とゆうかもう騙せなくなってしまった。
最近、手術入院をした。
簡単な手術だったけど、術後の痛みが酷く眠れない日が続いていた。
夜中に目が覚めるし、朝も早く起きてしまう。かと言って昼寝も出来なかった。
それが何日も続いたある日、痛み止めも飲んだばっかりだったけど全然痛かったから、看護婦さんにちょっと無理を言って胃薬をもらった。
そしたら少し眠れた。入院して初めての昼寝だった。
その短い眠りの中で私は夢を見た。
夢の中で、私は彼の隣に座って笑っていた。
こんなに幸せそうに笑えるのか、という様な笑顔だった。
その幸せが当たり前にあるという事に、夢の中で感謝していた。
感謝した瞬間に目が覚めた。
目が覚めた瞬間、ヤバイ!と思った。
こんな時にわざわざ彼の夢を見る自分にショックを受けた。
私、全然大丈夫じゃないじゃん!と。
これじゃあ幾ら何でももう嘘がつけない。
いくら意識をして頭の中から追い出したって、
目をつぶれば、夢に出てきてしまうのだから。
彼は所詮は一滴。
そう自分に言い聞かせていた。
だけどその一滴は、何より大切な一滴だったのかもしれない。
それを大切に思う事がくだらないとすれば、
人生なんて、なんの意味があるのだろう。
退院して一カ月が経ち、やっと日常を取り戻しつつある。
手術の痕以外は前と変わらぬ日常の中、私は彼を想っている。
1番大切な事を伝える事が出来ないまま、なんとかその次に大切だと思える事を探そうと、仕事終わりにスターバックスでこれを書いている。
私は別に過去を生きてる訳じゃない、と思う。
「今」に向き合えず、過去に逃げている訳じゃない、はずだ。
でも、人はきっとそう思うだろう。
他に好きな人が出来るよ、と。
そうじゃないと反論出来るツールを私は1つも持ってないのだから、
きっとその通りなのだろう。
それでもいい。
これから先どうなうのかなんて分からない。
他に好きな人が出来る可能性なんて、ない訳がない。
でも今、私は彼に会いたいのだ。