第59弾『人数の町』

監督：荒木伸二

出演：中村倫也、石橋静河、立花恵理、山中聡

～自由と勝手と権利と義務～

外国同様、日本でも失踪者、行方不明者が万の単位で出ている。そこで不思議なことはないだろうか。そういった人がどこに行ったのかは勿論のことだが、もし生きているとするなら戸籍や健康保険、年金はどうなっているのだろうか。もし行方不明のまま亡くなっているとするならその戸籍や健康保険、年金はどうなっているのだろうかと。アナウンサーの辛坊治郎氏は「日本人の寿命はそのうち100歳を超える」と言っているが、行方不明者の戸籍がずっと残ったままになっている、年金を受給していた老人が亡くなっても、それを届け出ず家族が年金をもらい続けるなど、本人が本人である証明が現代でも次第に薄らいでいるのだ。さてこの映画には「人数の町」と呼ばれる衣食住が保証されたコミュニティが出てくる。そこには少年法で守られた殺人犯、借金で自己破産した者、ネットカフェ難民、などなど社会不適合者がぞくぞくと集められる。彼らには簡単な仕事があるのだがこれが恐ろしい。出入りは自由となっているはずだが誰も外に出ようとしない。こんなディストピアがもしかすると全員がユートピアになっている。新興宗教がこのような集団を作っている例があったが、この映画に出てくる「町」はそれよりも性質（たち）が悪い。この映画は日本に内在する様々な社会問題に警笛を鳴らしているようだ。

2020年度 独断と偏見のランキング

1.       ジョジョ・ラビット

2.       パラサイト／半地下の家族

3.       ９人の翻訳家／囚われたベストセラー

4.       グッドライアー／偽りのゲーム

5.       バルーン／奇蹟の脱出飛行

6.       コリーニ事件

7.       マリッジ・ストーリー

8.       ミッドサマー

9.       ２人のローマ教皇

10.    名もなき生涯

11.    千と千尋の神隠し

12.    オフィシャル・シークレット

13.    ゲド戦記

14.    アイリッシュマン

15.    もののけ姫

16.    娘は戦場で生まれた

17.    レ・ミゼラブル

18.    ハリエット

19.    赤い闇／スターリンの冷たい大地で

20.    １９１７／命をかけた伝令

21.    エスケープ・ルーム

22.    ファヒム／パリが見た奇跡

23.    ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey

24.    ブラック・アンド・ブルー

25.    三島由紀夫VS東大全共闘～50年目の真実～

26.    ナイチンゲール

27.    グッバイ、リチャード！

28.    TUNAガール

29.    風の電話

30.    黒い司法／０％からの奇跡

31.    新聞記者（リバイバル上映）

32.    風の谷のナウシカ

33.    人数の町

34.    リトル・ジョー

35.    ジュディ／虹の彼方に

36.    ペイン・アンド・グローリー

37.    リチャード・ジュエル

38.    ストーリー・オブ・マイ・ライフ／わたしの若草物語

39.    フォードVSフェラーリ

40.    バッドボーイズ／フォー・ライフ

41.    透明人間

42.    ２分の１の魔法

43.    精神０

44.    海辺の映画館／キネマの玉手箱

45.    海底47ｍ／古代マヤの死の迷宮

46.    思い、思われ、ふり、ふられ

47.    青くて痛くて脆い

48.    ランボー／ラスト・ブラッド

49.    ドクター・ドリトル

50.    スキャンダル

51.    ハニーランド／永遠の谷

52.    キャッツ

53.    Fukushima 50

54.    エジソンズ・ゲーム

55.    コンフィデンスマンJP　プリンセス編

56.    映画ドラえもん／のび太の新恐竜

57.    映画 すみっコぐらし／とびだす絵本とひみつのコ（リバイバル上映）

58.    ＡＩ崩壊

59.    カイジ／ファイナルゲーム

第58弾『オフィシャル・シークレット』

OFFICIAL SECRETS

監督：ギャビン・フッド

出演：キーラ・ナイトレイ、レイフ・ファインズ、マット・スミス、マシュー・グード

～日本では無理～

今となっては偽りの「イラク大量破壊兵器」だが、この当時はＣＩＡの情報は正しいものだと自分も含めみんなそう思っていたに違いない。上げた拳を振り下ろせなくなったアメリカはとうとうイギリスの諜報機関にも情報操作を依頼する。諜報機関で働く主人公のキャサリンは偽の情報でイギリスが戦争に巻き込まれ、国民が危険にさらされるのは違法行為だとして、情報をマスコミにリーク。裏切り行為だとして当然TWENTY-FOURのごとく逮捕されるのだが、重要な証拠が出てくれば国に勝てるかもしれないと弁護団は考える。後半にキャサリンが法廷に向かうシーンがある。その道はまるで絞首刑台に向かう道であるかのような階段になっており、結末を知らない私はああこれでキャサリンは終わりなのかも知れないと思うのであるが、まさかそんな風になるとは。さてこれを日本に置き換えるとあり得ないことが２つある。一つは（旧）日本（軍）ならいつの間にか死刑になって終わりということ、そして現代の日本であれあ諜報機関が存在しないため、こんな事は起きないということ。それはまるで平和であるかのように見えるが、このスパイ天国日本の情報はダダ漏れであり、次の大戦がもし来たら日本は滅びる。自衛隊の憲法明記、情報機関の設置を急ぐべきだ。

2020年度 独断と偏見のランキング

1.       ジョジョ・ラビット

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31.    新聞記者（リバイバル上映）

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37.    ストーリー・オブ・マイ・ライフ／わたしの若草物語

38.    フォードVSフェラーリ

39.    バッドボーイズ／フォー・ライフ

40.    透明人間

41.    ２分の１の魔法

42.    精神０

43.    海辺の映画館／キネマの玉手箱

44.    海底47ｍ／古代マヤの死の迷宮

45.    思い、思われ、ふり、ふられ

46.    青くて痛くて脆い

47.    ランボー／ラスト・ブラッド

48.    ドクター・ドリトル

49.    スキャンダル

50.    ハニーランド／永遠の谷

51.    キャッツ

52.    Fukushima 50

53.    エジソンズ・ゲーム

54.    コンフィデンスマンJP　プリンセス編

55.    映画ドラえもん／のび太の新恐竜

56.    映画 すみっコぐらし／とびだす絵本とひみつのコ（リバイバル上映）

57.    ＡＩ崩壊

58.    カイジ／ファイナルゲーム

第56弾『思い、思われ、ふり、ふられ』

監督：三木孝治

出演：浜辺美波、北村匠海、福本莉子、赤楚衛二

～思い切って前に進む～

原作コミックも読んでいないし、同じ原作者による「ストロボ・エッジ」「アオハライド」も観ていないが、神戸ロケということで観る。神戸市民としてどんなところが映っているのかなと気になりまして。ストーリー上、あまり街中のシーンはなくて、西神中央や長田区だったようです。神戸ロケでは「神戸フィルムオフィス」という団体さんがロケ地の候補地の選定・紹介をしており、『アルキメデスの大戦』『フォルトゥナの瞳』などがお世話になっているということですね。なるほどこの原作者の作品がこれを含めて三部作と言われているのですか。三木孝治監督が『アオハライド』も撮っていたというのはこだわりがあるのでしょう。浜辺美波さんは本当に綺麗ですね。

2020年度 独断と偏見のランキング

1.       ジョジョ・ラビット

2.       パラサイト／半地下の家族

3.       ９人の翻訳家／囚われたベストセラー

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5.       バルーン／奇蹟の脱出飛行

6.       コリーニ事件

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23.    ブラック・アンド・ブルー

24.    三島由紀夫VS東大全共闘～50年目の真実～

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