ずっと昔、明石映画サークルの会報誌で同名のコラムを書いていたのですが、そこから名前を引き継いでブログを立ち上げてみました。よろしくね。
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
原題THE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON
出演:ブラッド・ ピット、ケイト・ブランシェット
~人間は何のために生きているのか?~
中学生の時、一旦考えはじめると眠れなくなる事があった。それは「広大な宇宙においてほんの小さな地球に存在する生命体が一体何の役に立っているというのか?」という疑問からだった。
もしかしたら地球のひとつやふたつなくなっても宇宙はまわるんじゃないか?そうしたら地球、とりわけ人間は宇宙の何の役に立っているのだろうか?そうすると自分の存在がどんどんちっぽけなものに思えてきて無性に不安になった。
命は大切だ。そんなことはわかっているんだけれども、幸か不幸か、豊かな日本に住んでいると日々それを感じることはめったにない。
ベンジャミン・バトンは生まれたその瞬間に80歳だった。頭は子供、身体は老人だ。普通なら「変な話」で終わりそうだがそれは違うのではないだろうか。彼は子供にして死の恐怖を味わうはずだ。当時の医学では説明がつかない難病だ(と診断される)からだ。
ポイントはこのベンジャミン・バトンが不幸な人生を送るのではなく、命の大切さが分かった彼が誰と出会い、誰を愛すか、である。
この物語が哀しいのはある意味幸福であった彼が愛する人とハッピーエンドを迎えることがができないということだろうか。
さすが『セブン』のデビット・フィンチャー監督。また今度この2時間47分全く飽きさせないのは見事。またブラッド・ピット、ケイト・ブランシェットが上手い。『レボリューショナリー・ロード』のレオナルド・ディカプリオの10倍上手。
2009年度劇場映画ランク付け
1.マンマ・ミーア!
2.ベンジャミン・バトン 数奇な人生
3.地球が静止する日
4.レボルーショナリー・ロード/燃え尽きるまで
5.ラースと、その彼女
6.007/慰めの報酬
7.ワールド・オブ・ライズ
8.ウォーリー
9.K-20 怪人二十面相・伝
10.ザ・ムーン
11.チェ 28歳の革命
12.チェ 39歳別れの手紙
13.ミラーズ
14.20世紀少年 第2章 最後の希望