2020年映画 独断と偏見のランキング -302ページ目
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『7つの贈り物』 Seven Pounds

監督:ガブリエレ・ムッチーノ
出演:ウィル・スミス/ロザリオ・ドーソン/ウッディー・ハレルソン/バリー・ペッパー、マイケル・イーリー

「神は存在するのか」
この映画は久しぶりにいい邦題を付けた。『7ポンド』では通じなかっただろう。

「衝撃のラスト」と言われているけれど、頭のいい人なら途中で分かるかもしれない。実はファースト・シーンでラストを出しているのだ。ただ観客には時間軸がまだ把握出来ていない。伏線を綿密に張って、フラッシュ・バックを少しずつ長めに挿入し、最後の15分で全てをつなげる。監督と編集のうまさ。

もしかしたら映画のラストで「そんな奴おらへんで」という人がいるかもしれない。もしあなたがそうならこの映画の主張するところがまだ理解できていない。みんな「臓器提供意思表示カード」を持ちましょう!

2009年度劇場映画ランク付け
1.7つの贈り物
2.チェンジリング
3.マンマ・ミーア!
4.ベンジャミン・バトン 数奇な人生
5.地球が静止する日
6.レボルーショナリー・ロード/燃え尽きるまで
7.ラースと、その彼女
8.007/慰めの報酬
9.ワールド・オブ・ライズ
10.ウォーリー
11.K-20 怪人二十面相・伝
12.ザ・ムーン
13.チェ 28歳の革命
14.チェ 39歳別れの手紙
15.ミラーズ
16.20世紀少年 第2章 最後の希望

『チェンジリング』 Changeling

監督:クリント・イーストウッド
出演:アンジェリーナ・ジョリー/ジョン・マルコウ゛ィッチ/ジェフリー・ドノウ゛ァン

行方不明になった子供がやっと発見されたとき、それは別人だった、というストーリーだけを聞いた時はそれほど「引き」がなかったんだけど、クリント・イーストウッド監督、アンジェリーナ・ジョリー主演と聞いた瞬間に「はい、観ます」となった。それほどC・イーストウッドは俳優から監督になったパターンで久しぶりに「引き」がある監督だと思う。

とにかくアンジェリーナ・ジョリーの演技はうまいを通り越して「神」の領域。そんなことは『17歳のカルテ』でわかりきっているはずなんだけど、それでもすごい。

どの映画を観てもその人やん!と思ってしまうレオナルド・ディカプリオみたいな俳優もいるけれど、今回のそのメイクだけではない凄さがある。

アメリカには確かにこんな警察の腐敗している時期もあったけれども、アメリカのすごいところは正義がちゃんとあって訴えればちゃんと審判が下るところだと思う。これが日本なら恐らく警察側の視点で判決が言い渡されるだろう。この日本では市民が公権力を訴えて勝つ確率はまずないのだから。現在でさえ。

2009年度劇場映画ランク付け
1.チェンジリング
2.マンマ・ミーア!
3.ベンジャミン・バトン 数奇な人生
4.地球が静止する日
5.レボルーショナリー・ロード/燃え尽きるまで
6.ラースと、その彼女
7.007/慰めの報酬
8.ワールド・オブ・ライズ
9.ウォーリー
10.K-20 怪人二十面相・伝
11.ザ・ムーン
12.チェ 28歳の革命
13.チェ 39歳別れの手紙
14.ミラーズ
15.20世紀少年 第2章 最後の希望

『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』

ずっと昔、明石映画サークルの会報誌で同名のコラムを書いていたのですが、そこから名前を引き継いでブログを立ち上げてみました。よろしくね。

『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
原題THE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON
出演:ブラッド・ ピット、ケイト・ブランシェット
~人間は何のために生きているのか?~
中学生の時、一旦考えはじめると眠れなくなる事があった。それは「広大な宇宙においてほんの小さな地球に存在する生命体が一体何の役に立っているというのか?」という疑問からだった。

もしかしたら地球のひとつやふたつなくなっても宇宙はまわるんじゃないか?そうしたら地球、とりわけ人間は宇宙の何の役に立っているのだろうか?そうすると自分の存在がどんどんちっぽけなものに思えてきて無性に不安になった。

命は大切だ。そんなことはわかっているんだけれども、幸か不幸か、豊かな日本に住んでいると日々それを感じることはめったにない。

ベンジャミン・バトンは生まれたその瞬間に80歳だった。頭は子供、身体は老人だ。普通なら「変な話」で終わりそうだがそれは違うのではないだろうか。彼は子供にして死の恐怖を味わうはずだ。当時の医学では説明がつかない難病だ(と診断される)からだ。

ポイントはこのベンジャミン・バトンが不幸な人生を送るのではなく、命の大切さが分かった彼が誰と出会い、誰を愛すか、である。

この物語が哀しいのはある意味幸福であった彼が愛する人とハッピーエンドを迎えることがができないということだろうか。

さすが『セブン』のデビット・フィンチャー監督。また今度この2時間47分全く飽きさせないのは見事。またブラッド・ピット、ケイト・ブランシェットが上手い。『レボリューショナリー・ロード』のレオナルド・ディカプリオの10倍上手。

2009年度劇場映画ランク付け
1.マンマ・ミーア!
2.ベンジャミン・バトン 数奇な人生
3.地球が静止する日
4.レボルーショナリー・ロード/燃え尽きるまで
5.ラースと、その彼女
6.007/慰めの報酬
7.ワールド・オブ・ライズ
8.ウォーリー
9.K-20 怪人二十面相・伝
10.ザ・ムーン
11.チェ 28歳の革命
12.チェ 39歳別れの手紙
13.ミラーズ
14.20世紀少年 第2章 最後の希望
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